『音盤紀行』3

(KADOKAWA、2025.2.20)

 

火曜日、歯医者の後に

新宿に出て買ってきた

お目当ての新刊の1冊です。

 

以前、第1〜2巻を読み

続刊を待望していたのでした。

 

 

ちなみにこのとき

4刷だった第1巻は

のちに横浜のディスクユニオンで

初版を見つけて購入しました。

 

本好きというより

古本マニアの悪い癖ですね。(^^;

 

 

第3巻冒頭の第15話

「旅立ちのサウンドトラック」は

第1話「追想レコード」に登場する

ミヤマレコードの深山暦実と

彼女の店に祖父のコレクションを

引き取ってもらった岡谷麻耶奈が再登場。

 

第3巻最終話(第20話)は

その第15話の続きになってます。

 

 

第17話「ファラウェイ・フォークス」で

友人と湖水地方へ旅行に行くアイノは

第4&5話「電信航路に舵を取れ!」

(第1巻)に登場する

イギリスに留学予定の女学生アイノと

同一人物でしょう。

 

第19話「暗地下のビートバンド」に出てくる

音楽が禁じられた東欧の住人ラナは

第1巻・第2話「密盤夜の夜」

第2巻・第8話「ラナのいる町にて」

に登場しています。

 

読んでいる時は

暦実さんのことしか

気づきませんでしたけど

思い立って確認してみたら

こんなにあったという(笑)

 

 

そのほかに

なつかしい感じのSF

第16話「ムーンネイジ・ボイジャー」と

ニューヨークの海賊盤専門店を

盲目の女性が訪れる

第18話「キャロラインホテル、五一〇号室」

を収録。

 

第18話は

海賊盤作成の蘊蓄が語られていて

なるほどなあ、とか思いながら

最後は感動させられるという。

 

 

「ファラウェイ・フォークス」は

子どものころ母が歌っていた曲の

原曲を探すために

イギリスの湖水地方を訪れる

アメリカ人青年がメインで

ちょっと謎解き風味のあるのが

良きかな〜という感じ。

 

土地の人が観光客向けに

路上で演奏する場面が出てきますが

そこで抱えている楽器のひとつは

胴の形状やロゼッタのデザインから

リュートかと思ったんですけど

弦の数も少ないし

ヘッドが直角に曲がっていないので

違うかしらん。

 

 

ちなみに

第3巻最後の第20話では

南アジアの雑貨屋で

旅行者が置いていった

日本のレコードとして

『恋のさざなみ』という

ドーナツ盤が描かれています。

 

これはおそらく

島倉千代子の

『愛のさざなみ』(1968)を

踏まえたものでしょう。

 

こういう

ちょこちょことした

細かい描き込みに

マニア心を

くすぐられたりして

楽しい時間を過ごしました。

 

 

第18話のおまけページには

深山暦実の愛聴盤が6枚

紹介されてるんですが

そのうち4枚は洋楽。

 

矢野顕子の

『ごはんができたよ』(1980)があるので

他のも全て実在するんでしょうけど

そうなってくると俄然

聴いてみたくなるのも

マニア心のなせるものでしょうか。

 

第4巻が出るまでに見つけてみよう

とか考えるのも愉しかったり。

 

 

ちなみに

The Kinks のアルバム・タイトルが

The Villege Green Preservation Society

となってましたけど、これは

The Village Green Preservation Society

の誤植のようです。

 

どんなのだろうと思って

検索してたら分かりました。

 

まあ、それはともかく

続刊が出るのを

楽しみに待ちたいと思います。