(Estonian Record Productions:
ERP-6212、2014.2.28)
リリース年月日は
拠りました。
マリア・ケオハネが
ラース・ウルリク・モンテルセン指揮
ヨーロッパ連合バロック管弦楽団と組み
ヘンデルのカンタータとアリアを
歌った録音が含まれている1枚。
以前にご案内の
姉妹編ということになります。
収録歌曲は
イタリア語のソロ・カンタータ
《あなたに再びお会いしようとは、おお神よ》HWV150
イタリア語の教会音楽
《ああ、なんと不公平》HWV230
イタリア語のオラトリオ
《時と悟りの勝利》HWV46a から
アリア〈選ばれし天の使者よ〉
の3曲。
録音は
HWV150のカンタータと
HWV46aのアリアが
2010年のいつかで
HWV230の教会音楽は
2011年のいつか。
ヨーロッパ連合バロック管弦楽団の
その年度のライブ音源か
ライブ後に行われた
レコーディングに基づいているらしく
正確な月日までは
明記されていないのですね。
HWV230はあるいは
Joy & Sorrow と同じ
2011年11月20日か
21日かもしれません。
そしてHWV46aからのアリアは
前回、貼り付けた映像と同じ
2010年9月5日か
その翌日かもしれません。
ライナーに
映像と同じ赤い衣装での
ステージ写真が
載っていたので。
ついでに補足しておくと
2010年と2011年とでは
器楽奏者の顔ぶれが
微妙に異なります。
指揮者と
コンサートマスターを務める
第1ヴァイオリニストは
両年とも同じなんですけどね。
ヨーロッパ連合
と冠しているだけあって
EU加盟各国から
演奏者を集めているのでした。
ですから前回の記事において
「同じメンバーで」
2010年9月5日に歌われたもの
と書いているのは
当方の勇み足、誤りであること
お詫びして付け加えておきます。
《ああ、なんと不公平》と
アリア〈選ばれし天の使者よ〉は
Joy & Sorrow にも収録されてました。
世俗カンタータともいうべき
《あなたに再びお会いしようとは、おお神よ》は
今回が初で、なかなかの力作です。
こちらは題材を踏まえ
《エロとレアンドロ》Ero e Leandro
というタイトルでも知られており
ジャケ裏でもそのタイトルで
記載されています。
知られている
と書きましたが
自分の場合
今回いろいろ検索してみて
そういう神話の存在を
初めて知ったんですけどね。
非常に有名な神話なようで
Wikipedia の当該神話の項目
「へーローとレアンドロス」でも
ヘンデルの曲名に言及されてました。
そうと知って聴くのと
知らないで聴くのとでは
大違いなので
付け加えておく次第です。
題材は分かっても
やっぱり歌詞の内容も知りたい
と思うのが人情ですけど
幸い手元には
別の演奏家による
同曲を収録したCDの
日本流通盤があり
訳詩も載ってました。
大意であれば
というブログに載っており
曲の背景説明もあって
なかなか参考になります。
こういうことを知って
聴き直してみると
また印象が違ってくるかも。
さて、本盤には
以下の器楽曲も収録されています。
オペラ《テッサリオ王アドメート》序曲
組曲《水上の音楽》第1番 ヘ長調
合奏協奏曲 ヘ長調 作品6の2 の3曲で
合奏協奏曲は2011年の録音だそうですから
Joy & Sorrow と同じかもしれません。
《アドメート》序曲は
《エロとレアンドロ》の序曲代わりに
演奏されており
2010年の録音ですが
これはライブでも
同時に演奏されたものでしょう。
《水上の音楽》の録音は2008年です。
2008年の時は
コンサートマスターが
別の人でした。
(上掲のジャケ裏写真で
名前が確認できます)
それにしても
ヘンデルをまとめたんなら
バッハもまとめて欲しい
とか思うんですが
さっと調べた限りでは
《マルコ受難曲》を
出ているようです。
あと、他の作曲家との選集に
管弦楽組曲 第1番が
入ってるみたいですね。
それにしても
よりによってなぜ
《マルコ受難曲》という
歌詞しか残っていないものの
復元版なのか。
Joy & Sorrow でも
ヘンデルの疑作だったり
偽作だったりと
変わったセレクトでしたからねえ。
ケオハネの歌う
バッハのカンタータ第51番を
収めたCDを出してくれても
いいのに
とか思っちゃいました。