本日は午後から
冬季講習で横浜へ。
駅に行く途中の道沿いで
咲いているのを見かけたのが
クリスマスにはお馴染みの
ポインセチアでした。
赤い部分は
花びらのように見えますが
苞[ほう]あるいは苞葉で
花の根元につく
葉っぱになります。
真ん中部分が実際の花ですが
緑色の部分は
総苞[そうほう]といって
頭花を保護しています。
実際の花に花弁はなく
1個の雌花と5〜6個の雄花が
総苞に包まれています。
盃状の総苞の中に
花弁も萼もない雌花と雄花が
入っているという
つき方の花を
杯状花序[はいじょうかじょ]ないし
壺状花序[つぼじょうかじょ]と
いうのだとか。
杯状花序を持つのは
トウダイグサ科だけの特徴で
ポインセチアもトウダイグサ科
ということになります。
花序部分をさらにアップ。
豆状というか蛤状というか
オバケのQ太郎の口みたいなのが
雌花だと思っていたら
岩槻秀明『新 散歩の花図鑑』
(新星出版社、2023)に
蜜腺だと書かれてました。
ということは
蜜腺のそばで
束になっているのが
花ということになりますね。
これでは
どれが雌花で
どれが雄花か
見当もつきません。
ポインセチアという花名は
「季節の花300」によれば
アメリカ初代駐墨大使
メキシコで発見し
帰国後に紹介して
広まったことに由来するそうです。
ポインセットに由来する
というのが定説ですけど
フランス人旅行家
M・ポンセットにちなむ
という説も紹介されていました。
日本に渡来したのは
同じく庭木図鑑 植木ぺディアによれば
1886(明治19)年で
ついた和名が
猩々木[しょうじょうぼく]。
猩々というのは
猿のような顔を持ち
紅色の毛を持つ
中国の想像上の怪獣で
これに由来するというのが
定説のようです。
それが間違いだとは言いませんが
能の演目に「猩猩」というのがあって
これも中国由来ですけど
明治時代につけられた際
意識されていたのは
むしろ能の演目の方ではないか
と推察する次第です。
クリスマスフラワーという
別名もあるくらい
クリスマス時期になると
よく見かけるありふれた花
と思っていましたが
記事にするため調べてみたら
いろいろと分かって
想像もふくらんで
面白いですね。
それにしても
今回のように背の高いのは
初めて見た気がします。
和名に猩々木と
「木」の字が入っているのも
納得されるのでした。