オランダ・バッハ協会の
コーヒー・カンタータを観て
ルーシー・シャルタンの虜になり
YouTube で映像を探し
見つけた内のひとつがこちら。
曲はバッハの
《マタイ受難曲》第2部
マタイ全体では49曲目
(旧番号だと58曲目)にあたる
ソプラノのためのアリア
〈愛ゆえに(愛の御心から)〉です。
ピラトが群衆に対し
キリストはどのような悪いことをしたのか
と問うたのに対し
バッハ作曲当時の
現代の視点から応答する内容です。
キリストは
私たちにとって良きことをした
とレチタティーヴォで述べた後
キリストは我々への愛ゆえに死ぬ、
十字架にかけられるのだ
というアリアに続きます。
ソプラノのレパートリーとして
《マタイ受難曲》の中では
第2部の全体の中では39曲目
(旧番号だと47曲目)にあたる
〈憐れみたまえ〉とともに
よく知られた曲とのことですが
自分はそちらは知ってましたけど
こちらはあまりよく知らず。
今回の
シャルタンの映像を
観なければ
今後もあまり
意識しなかったかも。
本演奏はそれに加えて
伴奏がパンフルートと
アコーディオンのみ
というのがすごい。
パンフルート奏者の
マティス・クネのチャンネルで
アップされたものであり
アコーディオンを弾く
マルコ・カスルは
シャルタンと共に
ゲストで参加したようです。
原曲の編成は
フラウト・トラヴェルソと
オーボエ・ダ・カッチャ2本のみ。
オーボエ・ダ・カッチャの形が
よく分かる映像へのリンクを
以下に貼っておきます。
(マリー・ルイーズ・ヴェルネブルク歌唱、2022年4月13日録音)
東京書籍版『バッハ事典』(1996)によれば
「罪なき清らかさを象徴するために
通奏低音がカットされ」
代わりにオーボエ・ダ・カッチャが
支えているとのことです。
今回ご紹介の映像は
フルートをパンフルートで
オーボエ・ダ・カッチャを
アコーディオンで演奏した
というものですが
まったく違和感ありません。
マティス・クネの超絶技巧に
見惚れてしまいますね。
ここでのシャルタンは
コーヒー・カンタータでの
変態的なw 演技から
想像がつかないほどの清純さ。
録音年月は不明ですが
アップされたのは2019年ですから
コーヒー・カンタータと
おそらくは同時期
ということになります。
あのコーヒー・カンタータと同時期に
こんな静謐な録音を残しているとは!
ますます虜になってしまいました。(^^ゞ