2023年に
エリー・アメリングが
生誕90年を迎えたことを祝して
デッカとフィリップスからリリースした
バッハ関連の録音を収める
20枚組のCD-BOXが出ています。
それがこちらの
Elly Ameling: Bach Edition です。
(Eloquence: 484 4722、2023.3.28)
リリース年月日は
タワーレコード・オンラインに
拠りました。
Eloquence というのは
オーストラリアのレーベルのようで
タワーレコード・オンラインだと
レーベル表示が
Australian Eloquence/Decca
となってました。
教会カンタータ第199番
《わが心は血の海に漂う》と
第51番《全地よ、神に向いて歓呼せよ》を
収めていることを知って
聴いてみたくなり
オール・バッハ・プログラムでも
あることですし
「在庫わずか」だったので
思い切って新品を買いました。
貯めていたポイントを全て使って
なんとか4,000円ちょっとに
収めて、ですけど。(^^ゞ
BWV199とBWV51は
CD1に収録。
ソリストは
BWV199のオーボエ・ソロが
ゲルノート・シュマルフス
という知らない人で
BWV51のトランペット・ソロを
モーリス・アンドレがやってます。
オーケストラは
ヘルムート・ヴィンシャーマン指揮
ドイツ・バッハ・ゾリステン。
録音は1969年9月です。
1969年の
モダン楽器を使用する
オーケストラによる演奏なので
古楽器の演奏に慣れていると
テンポが遅く
音もペタッとしているというか
やや重いような感じがします。
ところが驚いたことに
コーヒー・カンタータと
農民カンタータより
1年あとの録音なんですね。
結婚カンタータは1964年で
イタリア語カンタータが1966年
というふうに
そのとき書きましたけど
古楽器演奏による
世俗カンタータの方が
録音が古いとは
思いもよりませんでした。
というわけで
潑剌さという点では
世俗カンタータの方が
優っている気がしますけど
そこは世俗作品だけあって
ということなのかどうか。
とはいえ
近年の録音と比べても
遜色はまったくありません。
BWV199の場合
近年の録音であっても
今回くらいスローな演奏は
ざらにありますし
最後のジーグ風のアリアが
ちゃんと舞曲のように
リズミカルに聴こえるだけでも
たいしたものかと。
BWV51を聴く時
いつも気になる高音部は
テンポが遅いこともあってか
違和感なくこなしている感じです。
最後のハレルヤの高音部は
ちょっと誤魔化していると
感じなくもないですけど(苦笑)
絶叫調ではないのは、ありがたい。
トランペットの
モーリス・アンドレは
モダン楽器による
バロック音楽の演奏に
欠かせない名匠でした。
Wikipedia によれば
アンドレは1959年に
ピッコロ・トランペットを
開発したのだとか。
モダン・トランペットで
BWV51を演奏する際は
ピッコロ・トランペットの使用が
通例のようですけど
だとするとここでも
響かせているのは自身考案の楽器
ということになるのかしらん。
とか思って
Wikipedia で
見てみたら
別名バッハ・トランペット
というそうですから
これは確実に使われてますね。
そういうことを知って聴くと
ちょっと感慨深いものを
感じたりします。
上掲の写真のように
オリジナル・デザインを
そのまま使った紙ジャケなので
当時のデザインをそのまま
カラーで楽しめますが
ただし表側のみ。
裏側は
以前ご案内の
どっこいというか
あれよりは少しマシ
といったところ。
下の写真は
上がライナーの表紙で
下がCD1〜3のジャケです。
ライナーには
アメリングが執筆した
メッセージが載っています。
これは写真に撮ってコピペして
DeepLくんにでも
翻訳してもらうことにしますかね。
ちなみに
ソプラノ独唱カンタータ集が
あと1枚収められてますけど
それについてはまた改めて。
●訂正(翌日18:15ごろの)
今回ご案内の盤が
世俗カンタータの
「1年も前の録音」
と書いていたのを
「1年あと」に直しました。