昨日、買い物に出た際

久しぶりに違う道を通ったら

石垣の上に白い花が

咲いてました。

 

照葉野薔薇

(2024年6月11日撮影)

 

ハナノナで調べてみると

「バイカウツギ」

と出ましたけど

 

照葉野薔薇(ハナノナ)

 

帰宅後に検索してみたら

どうも違うっぽい。

 

 

庭木図鑑 植木ぺディアの

梅花空木の項目には

「雌しべの先は四つに分かれる」

とあったので、近所でもあり

本日もう一度確かめに行くと

雌蕊は四裂しておらず。

 

もう一度、よく見ていてら

枝に棘があることに気づきました。

 

照葉野薔薇(棘と托葉1)

(2024年6月12日撮影)

 

そこで

苺か薔薇の仲間だと当たりをつけ

検索語を試行錯誤しつつ

葉っぱのつき方に注目し

 

照葉野薔薇(葉のつき方)

(2024年6月11日撮影)

 

「奇数羽状複葉 棘」

で調べてみたところ

「松江の花図鑑」というサイトの

羽状複葉の樹木」というページから

ノイバラに似た仲間」を経て

テリハノイバラ」に

辿り着いた次第です。

 

照葉野薔薇(花アップ)

(2024年6月11日撮影)

 

自分が見たものは

雄蕊の葯が焦茶色

あるいは黒っぽいのに対し

検索先の写真はどれも黄色いので

違うかもと思いつつ

「托葉の縁には細かな鋸歯がある」

というのが決めてになりました。

 

庭木図鑑 植木ぺディアで

改めて照葉野茨(とも書きます)

の項目を読んでみたら

「葉の付け根にある托葉の形状が

 ノイバラとの見分けポ(イ)ント」

とあって、まず間違いないでしょう。

 

照葉野薔薇(棘と托葉2)

(2024年6月12日撮影)

 

3枚目と

上の(6枚目の)写真の

棘と托葉[たくよう]部分を

マーキングしたのが

以下の2枚です。

 

照葉野薔薇(棘と托葉1)マーキング

 

照葉野薔薇(棘と托葉2)マーキング

 

棘に近いところにある

ギザギザのヒレのようなものが

托葉と呼ばれるものです。

 

 

野薔薇との見分けポイントは他に

名前の由来にもなった

葉っぱに光沢があること。

 

そのポイントにも

ぴったりあってます。

 

 

花期は6〜7月で

花の後すぐに

果実ができるようです。

 

和名の別名は

茎が地面を這って伸びることから

這茨[ハイイバラ]とも。

 

英名は

Memorial Rose というのが

植物写真鑑」というサイトに

載っていますけど

由来は不詳。

 

 

学名は

Rosa luciae と

Rosa wichuraiana の

ふたつあるようで

種小名は共に

人名に由来するのだとか。

 

wichuraiana は

おなじみ「季節の花300」に

「採集者ウィチュラさんの」

という意味だと

説明されています。

 

Luciae は

木の情報発信基地」によれば

「採集家ルシア夫人の」

という意味だそうですが

ウィチェラさんとか

ルシア夫人って

誰なんでしょう。( ̄▽ ̄)

 

 

ちなみに

記事を書くため

いろいろ検索していたら

雄蕊の葯が黒い種も

あることが分かりました。

 

その名も

山照葉野茨(山照葉野薔薇)

[ヤマテリハノイバラ]といい

四季の山野草」によれば

別名として

アズマイバラ(東茨?)

オオフジイバラ(大藤茨?)

というのがあるそうです。

 

 

照葉野薔薇は蔓性で

巻きつくものがないと

地面を這うのに対し

山照葉野薔薇は自立する

という違いがあるそうですが

今回、自分が見たのは

どうだったかなあ。

 

今回のは石垣から

垂れ下がっていることでも

ありますので

やはり「山」がつかない

照葉野薔薇でしょうか。

 

 

さらにちなみに

野村和子「日本に自生するバラの野生種」

(『恵泉女学園大学園芸文化研究所報告

園芸文化』6号、2009)によれば

照葉野薔薇の学名 Rosa luciae は

かつて山照葉野薔薇の学名でしたが

今では照葉野薔薇の学名となり

山照葉野薔薇の学名は現在

Rosa Onoei となっている

とのことです。

 

Onoei は

明治初期の植物学者

小野職愨[おの もとよし]に

由来するそうで

Wikipedia によれば

この人、江戸時代に生まれ

明治になって文部省に入った

という経歴の持ち主。

 

さすが明治の文部省役人

と思わざるを得ませんね。