今日は午後から
調べものとコピーのため
近所の大学図書館まで
行ってきました。
その途中
マンションの敷地内
だと思うんですが
南国にでも生えてそうな
椰子[ヤシ]っぽい巨木があって
開花ないし
開花寸前のようでした。
(手前の錆はフェンスです)
こちらは
椰子ではなく
棕櫚[シュロ]の木で
漢字表記はこのほかに
「棕梠」「椶櫚」など。
別名は和棕櫚[ワジュロ]だと
「松江の花図鑑」に書いてありますが
Wikipedia を見たら
和棕櫚はいくつかある種の
ひとつを指すようです。
もっとも
いくつかある種のひとつ
唐棕櫚[トウジュロ]は
和棕櫚に比べると小さく
葉っぱが垂れないそうなので
その特徴に照らすなら
今回のは和棕櫚だと
いえそうですけど。
和棕櫚とはいっても
もともとは平安時代に
中国から持ち込まれた
外来種だとか。
ヤシ科の中では
最も耐寒性が強いため
東北地方でも栽培が可能で
中には北海道に
生えているものも
あるそうです。
下の写真は右側の花を
クローズアップしたもの。
こちら↓は左側の花。
何だかグロテスクですね。
中央のはまだ蕾のような感じ。
英名は Chusan palm
Chinese windmill palm など。
後者は
原産地と葉の形状から
つけられたのだろうと
想像がつきますけど
(windmill は「風車」の意)
前者の場合
Chusan の意味が
よく分からないので
何に由来するのか
見当がつきません。
英名は
「ロバート・フォーチュンが
初めてワジュロを見た
中国浙江省の舟山島にちなむ」
と Wikipedia に書かれてますけど
それがなぜ Chusan palm になったのか
この説明ではよく分からず。
Chinese windmill palm の説明としても
ややピントがズレている気がします。
英語版 Wikipedia に
何か書かれていないかと思い
検索して見てみたところ
(和棕櫚の学名)でヒット。
〈ロバート・フォーチュンが最初に
栽培された標本を見たのが中山島
(現在の舟山島[しゅうざんとう])だったから〉
というようなことが書かれてました。
日本語版の説明は
英語版を踏まえたもの
と拝察されますが
「中山島(現・舟山島)」と
書いてくれないから
意味が分からなくなったのでした。
学生のレポートかよ。( ̄▽ ̄)
いちおう
説明の中の「舟山島」に
リンクを貼ってますけど
舟山島の項目のどこにも
旧名・中山島と書かれておらず
リンクを貼った意味が何なのか
読み手が察しにくいんですよね。
ちなみに
ロバート・フォーチュン(1812〜1880)は
スコットランド出身の植物学者で
著名なプラントハンターの一人です。
まあ、それはともかく。
5月に房状の花穂を出す
と説明されることが多いので
4月の中旬というのは
やや早い気もしますが
これも温暖化の影響でしょうか。
雄株と雌株、
雌雄同株があるそうですけど
今回見かけたものが
どれに当たるのかといえば
花が雄花なので
雄株かと思われます。
松江の花図鑑に
雌花の写真が載っていて
かなり印象が違いますね。
果実は11月ごろに
黒く熟すそうですけど
近くに雌株がなければ
それを見る機会もないわけで
ちょっと残念。
雌株や果実が
見られないのは
まあ仕方がないとしても。
近づいて
クローズアップ写真が
撮れるほどの低木で
開花した雄株に出会えると
最高なんですけど
無理かなあ。