(新潮社、2023年12月20日発行)
副題は「校閲部の九重さん」で
「九重」は「くじゅう」と読みます。
ちなみに作者名は
「こいし」が名字で
「ゆうか」が名前。
Amazon で「おすすめの本」として
紹介されたんですが
面白そうだったので
まんまと釣られしまい
注文して読んでみた次第。
で、確かに面白かったです。
新潮社ならぬ
新頂社の校閲部に勤める
九重 心[こころ]さんと
彼女が教育係となった
女性新入社員
瑞垣[みずがき]さんとの
やりとりを通して
校閲という仕事の奥深さを描く
お仕事まんがです。
「協力/新潮社校閲部」
と表紙にある通り
新潮社校閲部の現社員や
元社員に取材した結果に基づき
エピソードが展開していきます。
新潮社の校閲はすごい
ということは
しばしば聞かれることで
そんな校閲のものすごさを
垣間見せてくれる作品
とでもいいましょうか。
校閲の仕事なんか
まんがになるのかと
レジェンドと言われる
元校閲社員の方に
思われたそうですが
確かにそうかも。( ̄▽ ̄)
でも、そこそこ人気があるようで
オビに三浦しをんの言葉を
載せているあたり
どの辺の読者を想定しているのか
うかがえる気がします。
自分の場合
ときどきゲラの校正を
頼まれたりするので
興味津々で読みました。
そして脱帽させられました。
エピソードのはざまには
「校閲の現場から」と題する
現社員のエッセイが
3本、載っていて
これがまた興味深い内容でした。
「校了後に誤植や見落としを
見つけるのが嫌なので、
自分が担当した本ができても
ほとんど見ないですね」(p.100)
という校閲部Sさんの気持ち
僭越ながら
よおっっっっく分かります!
奥付のページを見たら
本作品は『小説新潮』誌上にて
連載しているようで
手前味噌すぎる気が
しなくもありませんけど。
いちばん面白がって読んでいるのは
『小説新潮』に作品を載せる
作家さんたちではないか
とも思ったり。( ̄▽ ̄)
自分は、ぺえぺえの
アルバイト校閲者にすぎませんが
そんな我が身はさておいて
面白く読めました。
作者のあとがきによりますと
九重さんや瑞垣さんの物語は
まだ続いているそうで
続巻が楽しみです。