このところ当ブログでは

ペルゴレージの《奥様になった女中》

(通称《奥様女中》)の話題が

続いてますけど

YouTube で、珍しいというか

ちょっと変わった、面白い

上演映像を見つけましたので

取り上げておきます。

 

 

「バルセロナ室内オペラ」

Opera de Chambra de Barcelona

というチャンネルの映像。

 

コンセルタンテという

バルセロナ国際音楽アカデミーがあって

そちらが後援している

サリア・オペラ友の会と

協同で行なうオペラ・シーズン中の

サリア劇場での公演のひとつらしい。

 

というわけで

ついている字幕は

スペイン語になります。

 

 

公演日は

2021年2月7日。

 

歌唱者は

セルピーナ(ソプラノ)Serena Sáenz

ウベルト(バリトン)Carles Pachón

ヴェスポーネ(黙役)Xevi Dorca で

演奏はコンセルタンテの学生さん

ということになるんでしょうか。

 

ピアニストのみ

Viviana Salisi と Miquel Villalba

とエンド・クレジットで

別記されてますので

ゲスト奏者かもしれません。

 

 

まず、序曲が演奏されてますけど

本来の《奥様になった女中》には

序曲はありません。

 

これもペルゴレージの別作品から

取ってきたものでしょうか。

 

で、その序曲の演奏映像で

明らかになるんですけど

通奏低音はチェンバロではなく

というか

鍵盤楽器はチェンバロではなくて

キーボード(ピアノ)が

使われているようです。

 

オーセンティックな演奏

といえるわけではありませんが

幕間のキーボード独奏は

なにげに味わいがありました。

 

 

器楽演奏者も少なく

カーテンコールの時に

出てきたのが9人なので

内2人がピアニストだとすると

各パート1〜2人なのかも。

 

楽器の音にしても

必ずしも良いわけでは

ありませんけど

どこか素朴な感じが

かえって

いい味を出しているような

そんな印象を受けました。

 

 

舞台装置もチープですが

それがなんとなく

いい味わい。

 

セルピーナが

2幕目に入る前に

窓のカーテンを下すように

セットの背景幕を変えるのも

面白い演出でした。

 

ペルゴレージの死後

各国・各地で

演奏されたものの中には

こういう小屋掛けみたいな

チープな感じのものも

あったかもしれない

と思わせる雰囲気があります。

 

 

アリアを1曲歌い終えるごとに

観客の拍手が入る

というライブ感も

なかなか味わいがあります。

 

出演者の掛け合いの動きは

どことなく

アメリカ産の

ミュージカル映画を

思わせるところもあったり。

 

 

ウベルトが超低音を

音程を上げる形で

処理していて

これもありなんだ!

と驚かされたり。

 

実際に当時の演奏でも

役者は適当に

自分に歌いやすく

変えてたのかもしません。

 

そんなことを想像させる

不思議な舞台でしたね。

 

 

最近、当ブログで問題にしている

終曲のデュエットは

2曲とも歌われています。

 

ですから

2曲とも歌われるバージョンを

聴いてみたいという方には

ちょうどいいかもしれません。