ブルスカンティーニが歌う

《奥様になった女中》を

探している時に

見つけた盤がこちら。

 

《奥様になった女中》ジュリーニ指揮盤

(独 Profil: PH-16009、2016.7.2)

 

「ブルスカンティーニ

 奥様になった女中」で

検索していたら

ヒットしたんですが

よくよく見たところ

ブルスカンティーニが歌うのは

併録のチマローザ作曲

《宮廷音楽士》の方だったという。

 

 

Profil は

クラシックを取り扱う

湧々堂によれば

Hänssler 社の社長だった

ギュンター・ヘンスラーが

退社後に立ち上げたレーベル

なのだとか。

 

ジャケ表に

Edition Günter Hänssler

とあるのは

そのためでしたか。

 

 

《奥様になった女中》は

ソプラノがロザンナ・カルテリ

バスがニコラ・ロッシ=レメーニ

演奏はカルロ・マリア・ジュリーニ指揮

ミラノ・スカラ座管弦楽団。

 

録音は1955年5月29〜31日に

ミラノ・スカラ座小劇場

Piccola Scala di Milano で

行なわれました。

 

ジャケットやライナーには

チェンバロ奏者として

エリオ・カンタメッサ

Elio Cantamessa という名前が

わざわざ別掲されています。

 

1955年当時のことですから

モダン・チェンバロだと思いますが

違和感なく聴けますね。

 

 

音質は

リマスタリングのためか

非常に良い状態です。

 

演奏の方は

ウベルトを演じるロッシ=レメーニが

やや品に欠けるというか

滑稽味を強調しすぎのような

感じがされました。

 

冒頭のウベルトのアリアは

超低い音域を歌うことが

求められているんですけど

ロッシ=レメーニはよくその任に

耐えきれていないような気もします。

 

ロッシ=レメーニの歌うのを聴いて

ブルスカンティーニはどうだったか

と思って聴き直してみたら

やはり苦労しているようでしたが

ロッシ=レメーニよりは

その任に応えている気がしました。

 

そういうポイントに

気づかせてくれただけでも

本盤を聴いた甲斐がある

といったところでしょうか。

 

 

併録の

ドメニコ・チマローザ作曲

《宮廷楽士長》は

マッフェオ・ザーノン編曲版で

レナート・ファザーノ指揮

コレギウム・ムジクム・イタリクムの演奏。

 

録音は1957年7月です。

 

 

ブルスカンティーニ演じる宮廷楽士長が

オーケストラを指揮しようとして

うまくいかない様子を描いた

1幕もののインテルメッツォ(幕間劇)です。

 

指示を出された

各楽器を演奏するソリストは

イ・ヴィルトゥオージ・ディ・ローマ

とあるだけで

ソリスト名は特記されていません。

 

ただし

チェンバロ奏者のみ

ロメロ・オリヴェーリ

Romero Oliveri という

名前が載っています。

 

 

アウトラインを知って聴けば

それだけでも充分楽しめますが

やっぱり歌詞は知りたい

ということもあり

ちょうど日本人ソリストが歌う

CDがあったので

注文しました。

 

しかもその盤はなんと

カップリングが

《奥様女中》なのでした。

 

本盤と同じ構成で

日本語訳が付いているという

あつらえたような1枚なのですね。

 

届くのが楽しみです。

 

 

ところで

《宮廷楽士長》の

編曲者とされている

マッフェオ・ザーノン

Maffeo Zanon については

検索してみても

1882年〜1968年という生歿年と

イタリア(?)の音楽学者、

作編曲家、オルガニストということが

分かったくらい。

 

ヴィヴァルディやボッケリーニも

編曲しているようですけど

それはそれとして

編曲版だと知るってみると

オリジナル版がどんなものか

気になってくるところです。

 

注文したものはどうなんでしょう、

ちょっとドキドキだったり。