先週の23日(金)
東京カテドラル関口協会
聖マリア大聖堂まで
行ってきたことは
以前にも書いた通りです。
開場前に敷地内を見て回り
姫檜扇水仙を見かけたことは
その時の記事にも書きましたが
そのほかにもこんなものを
見かけていたのでした。
ジョセフィーヌの鐘の
そばにあったプランターに
植わっていた木にいっぱい
成っていました。
花のようにも見えませんし
ハナノナで調べても
分かるまいと思い
帰宅後、調べてみたんですけど
とんと見当がつかず。
葉っぱの感じが
檜[ヒノキ]か
翌檜[アスナロ]に
似ているので
針葉樹だと当たりをつけて
調べてみたんですけど
なかなか分からない。
いろいろ検索してみて
どうやら翌檜の実らしい
と思っていたところ
以前、購入しておきながら
最近は全くお見限りだった
平野貴久監修・写真
『樹木ガイドブック』を
(永岡書店、1997年5月10日発行)
たまたま繙いてみると
そのものずばり
という写真が
飛び込んできたのでした。
平野の本には
漢字表記が併記されてませんが
名前が分かれば
あとはネットで検索すればよく
漢字表記も含めて
あっという間に
詳細が判明した次第です。
お馴染みの
「児の手柏[コノテガシワ]」と
「の」の字が入ってますが
「の」がない表記もあるようです。
というわけで
ブログのタイトルには
そちらの表記を採用。
葉っぱが地面と直角に生じ
子どもの掌に見立てて
「児の手」とついたわけですが
柏の木に似ていないのに
「柏」とついたのは
Wikipedia によれば
中国名の「側柏[そくはく]」から
きているのではないかとのこと。
「柏」は中国では
檜の仲間を意味する語だそうで。
檜や翌檜などと違って
葉っぱの裏に気孔帯が見つからず
葉っぱの表と裏の区別が
つかないことから
「二面[フタオモテ]」
という別名もあります。
英名は Chinese arborvitae で
手元の辞書で arborvitae を調べると
「クロベ属・アスナロ属の各種の常緑樹」
という説明が載っています。
『樹木ハンドブック』には
中国北部原産で
江戸時代中期に渡来した
と説明されてますけど
万葉集に収録されている歌が
紹介されており
詳細は不詳といったところ。
日本での花期は3〜4月で
「樹木図鑑 植木ぺディア」には
5月ごろに青灰色の球果が目立ち
茶色く熟すのは開花した年の翌年
(今回の個体の場合は来年)の
10〜11月だと説明されています。
なお児手柏には園芸品種が多く
今回、見つけたのは
「千手[センジュ]」という
日本で最も流通しているらしい
品種になります。
生育した児手柏の葉や球果は
生薬としても利用されるそうで
だから教会の庭に置いてある
というわけでも
ないんでしょうけどね。
それにしても
檜や翌檜のような
うろこ状の葉っぱの木は
近場でもよく見かけますし
その中には児手柏もある
と思うんですけど
今回のような球果を
今までに見かけたことが
とんとありません。
なぜでしょう、不思議ですね。
なお、そばにあった
ジョセフィーヌの鐘については
こちら↓をご覧ください。