先月の下旬(5月24日)

普段使いのディスカウント・スーパー

OKに行く途中にある駐車場の

あるいは団地の石垣に

鮮やかな色彩の花が

目にとまりました。

 

松葉菊(2023.5.24)その1

(4月24日撮影)

 

駐車場側から近寄って

ハナノナで調べてみたところ

「マツバギク

 別名:フィグ・マリーゴールド」

と出ましたが

 

松葉菊(ハナノナ)

 

今回は一発で正解でした。

 

名前の由来は

「松葉のような細い葉と、

キクのような花」だから

と手元にある

小池安比古監修

大地佳子著、亀田達吉写真

『色と形で見わけ

 散歩を楽しむ花図鑑』

 

『色と形で見わけ散歩を楽しむ花図鑑』

(ナツメ社、2018.5.11

 /2022.7.10. 第10刷)

 

に書かれています。

 

ただし

菊の仲間ではなく

南アフリカ原産の多肉植物で

花弁のように見えるのは

仮雄蕊(生殖機能のない雄蕊)であり

花弁や萼はないのだとか。

 

本当の雄蕊は

花の中央にあるんでしょうけど

近寄れないために

よく分かりません。

 

松葉菊(2023.5.24)その2

(4月24日撮影)

 

この仮雄蕊

日中、晴れている時は開き

夜間や曇っている時は

閉じてしまうそうです。

 

5月31日にも写真を撮っていて

そちらのアップの方が

クリアに撮れましたけど

 

松葉菊(2023.5.31)アップ

(5月31日撮影)

 

快晴の日よりも

仮雄蕊の反り具合が劣る

というふうに見えるのは

目の錯覚でしょうかね。

 

 

ところが本日の夕方(18:30ごろ)

買い物に出かけた帰りに

確認してみたら

見事に仮雄蕊がすぼんでました。

 

松葉菊(2023.6.4)

(6月4日撮影)

 

なるほどこういうことかと

ちょっと感動してしまいました。

 

 

松葉菊の別名には

多肉植物であることから

「仙人掌菊[サボテンギク]」

というのもあると

いろのえ」というサイトに

書いてありました。

 

そちらのサイトでは

英名はマリーゴールドの花に

似ているからだとも

書いてありますが

マリーゴールドの画像を見る限り

あまり似ているように見えません。

 

レモンマリーゴールドなら

似てなくもないですけど

むしろ同じ南アフリカ産の

ガーベラの方が似ています。

 

それに

Fig(無花果)と

頭についているのを

無視している説明なのが

気になります。

 

 

英名の Fig marigold は

手元の辞書だと

「メセンブリアンテマ」

という訳語になってます。

 

こちらは

世界大百科事典によれば

南アフリカを分布の中心とする

多肉植物の一群を指す言葉だとか。

 

略して女仙[メセン]というと

漢字表記まで記してありますけど

Green Snap STORE の説明によれば

女仙はリトープスの和名になってます。

 

そちらの花も

確かに松葉菊に似てますけど

それによる和名は

石塊菊[イシコロギク]

となってますね。

 

これによって考えるに

メセンブリアンテマ類のうち

開花していないリトープスが

女仙と名づけられ

開花したリトープスは

石塊菊と名づけられて

流通しているだけではないか

と想像されます。

 

 

フィグ・マリーゴールドですが

以前、立川の古本市で見つけて

安かったので購入しておいた

L・ギュイヨ et P・ジバシエ

『花の名前』を繙いてみたら

 

ギイヨ+ジバシエ『花の名前』

(八坂書房、1991.5.25)

 

メセンブリアンテマ類は

その多肉構造がイチジクを思わせる

と書いてあります。

 

どこがやねん

とか思ったり。( ̄▽ ̄)

 

もっとも無花果の形ではなく

多肉植物の葉や茎が

水分を溜めていることから

無花果の実が多肉構造であることを

連想したのだと考えれば

腑に落ちなくもなく。

 

なお、上掲書によれば

メセンブリアンテマは

日中しか開花しない

という意味になるようです。

 

 

マリーゴールドについては

GARDEN STORY というサイトを見たら

太陽神に恋する水の妖精が

変化したものという伝説があり

太陽に向かって咲く

という性質を持っていることを

ふまえたものだと書いてありました。

 

日が昇ると開花して

日が落ちると閉じるというあたり

メセンブリアンテマ類の性格と

通ずるところがあるので

そちらをふまえたのかも知れません。

 

上記「いろのえ」のサイトで

マリーゴールドに似ている

と書いているのは

上のように解釈すれば

言葉が足りないとはいえ

分からなくもなく。

 

 

とりあえず考えられるのは

こんなところでしょうか。

 

うーん、すっかり

〈花の名〉沼に

ハマってしまった。

 

 

なお、石垣の下の方に

まるで苔のような感じで

肉厚の草っぽいものが

生えているのを見かけて

写真を撮ったんですけど

 

松葉菊の葉

 

5月31日に撮った松葉菊の写真を

つらつら見ていたところ

石垣の下方のこれは

どうも松葉菊の葉ないし茎のようだ

と気づきました。

 

 

ところで fig には

人差し指と中指の間から

親指を突き出して

軽蔑を表わす下品な仕草

という意味もあります。

 

石垣の葉ないし茎は

その突き出した親指の形に

似ていなくもなく

あるいはそれで

fig とつけられたのかも。

 

違うかな(苦笑)

 

 

それはともかく

石垣の下のこれって

ほっとくと

花がついたりするのかしらん。

 

もし花がつくのなら

その時は接写して

花の構造を

はっきりさせられそうです。

 

そう考えると

ちょっと楽しみ。

 

まあ、覚えていれば

ですけど。( ̄▽ ̄)