甘野老(縦)

 

昨日、買い出しの帰り

通りかかった裏道の脇に

甘野老[アマドコロ]を

見かけました。

 

何年か前にも

見かけてたんですが

そのときは花が萎れて

写真映えしなかったので

アップせずにいたところ

撮り直す機会もないまま

なかなか再会できなかった

個人的に曰くつきのものです。

 

甘野老

 

今回も下掲のように

アップで撮ったものは

花弁の下方が鐘状に開いておらず

あまりパッとしない見栄えですが

群れている中には鐘状のものも

確認できますね。

 

そちらを撮ればよかった

と今さらながら思ったり。(^^ゞ

 

 

上に書いた通り

何年か前に見かけていて

その際に名前を確定しておいたので

ハナノナで調べるまでもなく

甘野老だと気づいた次第。

 

甘野老という名前は

髭根の多い地下茎を持つ鬼野老

[オニドコロ]という種の

地下茎に似ていながら

地下茎が苦い鬼野老と違って

甘みがあるので

名付けられたものだとか。

 

花の形状ではなく

地下茎の類似から

名づけられるというのも

変わっている気がします。

 

鬼野老の地下茎は

正月飾りに使われて

長寿をあらわすとのことで

現在はともかく

昔はよく知られていたわけですね。

 

鬼野老の地下茎は

食べてみると苦いけど

甘野老の地下茎は甘かった

というわけで

昔の食糧事情を

彷彿させたりもしたり。

 

甘野老(アップ)

 

似た形状の花に

鳴子百合[ナルコユリ]

というのがあって

こちらは明らかに

花の形状から

名付けられてますね。

 

鳴子百合の花は

花柄[かへい]が分岐して

2〜3個まとまってぶら下がりますが

甘野老は花柄が分岐せず

葉腋から直接

1〜2個ぶら下がります。

 

また花弁と花柄の付け根は

突起状に膨らむのが鳴子百合で

膨らまないのが甘野老。

 

突起状に膨らむというのは

裸電球のネジ部分のような形状を

イメージしていただければ

いいかと。

 

葉っぱが卵形なのも

甘野老の特徴で

鳴子百合の葉っぱは

それよりやや細長く

笹の葉を思わせる形状。

 

以上諸々の点から

今回の花は甘野老に間違いなし

というわけです。

 

甘野老(横)

 

たくさん咲いてますけど

たぶんひとつの地下系で

つながっていると思われます。

 

地下茎は食用になるそうですが

さすがに

ちょっと掘ってみる

というわけにもいかず ( ̄▽ ̄)

実際のところは分かりません。