以前、ヴィヴァルディの《ニシ・ドミヌス》
(主が家を建てるのでなければ)RV 608 から
〈主は愛するものに〉Cum dederit の
ポジティフ・オルガン伴奏のみによる
演奏の映像を紹介したことがあります。
そしたら今後は
テオルボのみの伴奏バージョンを
見つけてしまいました。
メゾ・ソプラノ独唱が
アンナ・ニュイッテン Anna Nuytten
(あるいはヌイトンと読むのかも)
テオルボ伴奏は
トマス・ラングロワ Thomas Langlois で
いずれもベルギー出身の演奏家
とのことですけど
自分は2人ともその名前を
初めて耳にしました。
……と思うんですけど
気づいてないだけで
買った輸入盤の中に
演奏してるのがあるかも。(^^ゞ
バッハの演奏家を紹介する
Bach Cantatas というウェブサイトの
ニュイッテンの紹介記事を見ると
この2人は2019年に
Coordonné(コールドネ)
というリュート・デュオを
結成したのだとか。
ちなみに
coordonné は
フランス語で
「連携した、調整のとれた」
という意味になります。
一般的なアンサンブルや
オルガンのみの伴奏と違って
波打つような旋律
という感じはしませんけど
これはこれで
素朴な味わいが素晴らしい。
映像がまた
小さいライブハウスで
演奏している感じがされ
ホールとは違う
プライベートな感じが
実にいいですね。
Le vecchie musiche(古楽)
というサイトに載っている
ラングロワの経歴を見ると
フラメンコ音楽の
ダンサーや歌手の伴奏を
学んでもいるのだとか。
そういう学びが
今回のような小さい空間に
しっくりくる佇まいを
もたらしているのかも
とか思ったり。
それにしても
ヴィヴァルディの
〈主は愛するものに〉が
《ニシ・ドミヌス》から切り離されて
単独で取り上げられるくらい
人気のある曲だとは
ちょっと意外でした。
単独で聴くと
宗教曲的なニュアンスから離れて
純粋に曲として楽しめる気が
しないこともなく。
こちらが歌詞の意味を
聴き取れないからというより
宗教曲を書いても
それに収まらないような
過剰な魅力を醸し出すのが
ヴィヴァルディらしい
ということなのかもしれませんけど。