イタリアの鍵盤奏者

リナルド・アレッサンドリーニが

1984年に結成した

声楽と器楽の古楽器演奏団体

コンチェルト・イタリアーノ。

 

そのコンチェルト・イタリアーノが

ヴィヴァルディの《グローリア》RV589 を

演奏する動画を見つけたんですけど

これが実に変わった映像でした。

 

 

冒頭、鐘が鳴る中

これから演奏が始まろうか

という教会に到着した女性は

誰かと思えば

サラ・ミンガルドでした。

 

サラ・ミンガルドといえば

当ブログでも

CDを紹介したことがありますけど

動く本人を見るのは初めてで

こういう容姿だったんだ、と

ちょっとびっくりしたのは

ここだけの話。

 

 

それはともかく

ミンガルドが教会についてから

冒頭合唱が始まります。

 

最初、観ていた時は

指揮するアレッサンドリーニや

チェンバロ奏者が

ノリノリで身体を動かしてて

いいなあとか思ってたんです。

 

私服で演奏されるのもいいし

冒頭合唱が終わると

やったぜ、みたいな雰囲気になるのも

録音風景の演出として

それなりに面白いとか

思ってたんですけど

次からおかしいことになっていく。

 

 

2曲目 Et in terra pax

〈地上には善意の人々〉は

まず RV589 版を演奏してから

3曲目として RV588 版を

演奏し始めるだけでなく

いきなり雰囲気が変わります。

 

歌い手の衣装が

コンサート仕様になるのみならず

奏者を前後適当に配置して

まるで絵巻物のように

延々と途切れずに流れる

不思議な映像になるんですね。

 

 

以下の楽章でも

私服での演奏が続くかと思えば

演奏会用の衣装の演奏が入り

そのたびに不思議な映像になります。

 

8曲目 Domine, Fili Unigenite

〈ひとり子である主〉では

みんな両手を顔の前に

お椀を作るように合わせて

縦に2列に並んでいる歌い手の

奥へ奥へとカメラが進む。

 

お椀にした手の中に灯りがあるのか

闇の中に白い顔が浮かぶので

かなり不気味かも。

 

 

次の Domine Deus, Agnus Dei

〈神なる主、神の子羊〉は

ソロを歌うミンガルドのバックに

前曲と同じ姿勢のまま

白い顔を浮かび上がらせた合唱隊が

横並びになって遠い目をしており

ホラー映画を彷彿させるものがあるような。

 

ミンガルドはずーっと

ディレクターズ・チェアというか

そういう位置の席にいたので

ここで急に

来た時の私服のまま

歩きながら歌い始めるのも

異様な感じがします。

 

合唱隊はそのままの姿で

10曲目 Qui tolls peccata mundi

〈世の罪を除きたまう人よ〉に入り

次はまた私服のリハーサル風景。

 

 

そして最後のフーガ

13曲 Cum sancta spilitu

〈聖霊とともに〉で

また演奏会用の衣装になって

何といえばいいのか、

急角度のひな壇に並んでいるのを

カメラが下から煽りで撮っている

とでも言えばいいのかしらん。

 

そしてこの時は

指揮者も器楽奏者たちも

不思議な立ち位置になっているというか

合成でパーツを詰めたように見えて

空間が歪んでいるような感じがします。

 

 

さらに最後に

《グローリア》BWV588 の

アルト独唱のアリア

Qui tolls peccata mundi

〈世の罪を除きたまう人よ〉が

サラ・ミンガルドのソロで

おまけのように付いてます。

 

これは私服での演奏ですが

たくさんの蝋燭を立てているので

幻想的な(?)雰囲気になっています。

 

 

楽曲によって

演出が変わるのはなぜなのか

フーガの時だけのような気もしますが

よく分かりません。

 

なんでこんな映像にしたんだろう

と疑問符が舞うこと請け合いの

奇妙で妖しい映像なのでした。

 

 

だからこの映像版だと

RV589 からの12曲に

RV588 からの3曲加わって

全15曲となるわけなのです。

 

もっとも

RV589 からの第4曲と第5曲は

まとめて1楽章にしてあるので

実質的には11楽章+3楽章=14楽章

となっていますけど。

 

 

というわけで

最後になりましたが

問題の映像のアドレスを

貼り付けておきます。

 

YouTube に飛ばないと

観られないのは

ご容赦ください。

 

 

編成の小ささも

見どころのひとつかと思います。

 

それにしても

鐘が鳴り響く導入部、

演出の変さを知ってから観ると

不穏極まりないですね。

 

 

ちなみに

うちのパソコンに入っている

通常使用の Safari では

何度かCMが挟まるのが

うるさかったです。

 

検索してみたところ
工具男子というサイトに

Google Chrome 限定で

広告を切り取る方法が

紹介されていました。

 

幸い電子採点のために

Google Chrome を入れていたおかげで

CM抜きで観られるようになったことを

付け加えておきます。

 

ありがたや〜。(-人-)