ヴォーチェス8『バッハ:モテット集』

(英 Signum Records

 SIGCD-213、2010.12.28)

 

リリース月日は

タワーレコード・オンラインに

拠りました。

 

録音は2010年4月13~16日です。

 

 

ヴォーチェス8は

2003年に結成された

イギリスのグループで

2018年に

来日も果たしているようですが

こういうグループがいること

迂闊にも、つい最近になって

知った次第です。

 

ベネデット・マルチェッロ

詩篇に基づく歌曲集のCDを

探しているうちに

18世紀のイギリスの作曲家

チャールズ・エイヴィソン

歌詞を英語にしたものを演奏する

CDを出していることを知った

というのが、そもそものきっかけ。

 

そこから、オススメ機能で

本盤の存在を知った次第です。

 

 

こちらは Amazon で

購入したものですけど

裏側全面を覆うタイプの

国内仕様盤カバーオビが

付いてくるとは

思いもよりませんでした。

 

ただし

原盤解説の訳や

モテットの歌詞訳などは

付いておりません。

 

輸入・発売元は

東京エムプラスです。

 

 

デビュー盤が

007映画の音楽を中心とする

ポピュラー音楽だっただけに

ジャケットの写真は

スタイリッシュでカッコよく

とてもバッハのCDと

思えないくらい。

 

ちょっと

マンハッタン・トランスファー

彷彿させなくもなかったり。

 

ジャケットは冊子体ではなく

1枚の紙を織り込んだもので

展開すると裏面(?)が

ポスターになっています。

(写真がボケボケなのが惜しいw)

 

 

モテットというのは

ルネサンス時代に盛期を迎えた

ポリフォニックな

ラテン語の歌詞を持つ

宗教的声楽曲です。

 

バッハの時代は

16~17世紀に書かれた昔の曲が

教会などで歌われたり

個人に関わる葬儀や

祝賀イベントなどで

ドイツ語の歌詞に基づく

新作が作られたりしていました。

 

 

バッハのモテット集は

いっときハマったことがあって

何枚かCDを持っています。

 

なぜハマっていたかといえば

ポリフォニックなスタイルが

顕著な楽曲だったからです。

 

器楽伴奏をほとんど伴わず

伴っても声楽パートをなぞって

パートの旋律を強調するだけなので

フーガっぽいポリフォニー曲が

好きだった自分は

シンプルで構造が分かりやすい

とかなんとか、ものの本で読み

好きにならずにいられりょか

と思って熱心に聴いていた

ということではなかったかと。

 

 

そんなこんなで

ときどき

思い出したように

聴きたくなるんですけど

最近はご無沙汰気味でした。

 

久しぶりに聴いてみて

またぞろモテット熱が

ぶり返してきたり。( ̄▽ ̄)

 

 

ヴォーチェス8の演奏は

1パート1人が担当するという

OVPP(One Voice Per Part)

いわゆるリフキン方式

採用されています。

 

8人組のグループですから

しょうがないといえば

しょうがないんですけど。

 

モテットをOVPPで歌う

というのは

これまでにも

なかったわけではないんですが

自分は聴くのが初めてだったので

新鮮でした。

 

ウェストミンスター寺院の

少年少女聖歌隊出身者の集まり

ということもあって

清澄かつ正調な演奏が楽しめます。

 

 

もっとも

セネジーノ・プレイヤーズによる

器楽伴奏が

古楽器によるものでは

ないと思われるため

個人的には、ちょっと残念。

 

というわけで

OVPPを採用した

古楽器演奏による演奏盤を

探して、購入したのは

いうまでもありません。

 

それについてはまた今度

ということに。

 

 

ちなみに

バッハの死後も

その赴任先だった

ライプツィヒのトーマス教会では

モテットだけは練習用に

歌われ続けたようで

当地をモーツァルトが訪れた際

モテット第1番

《主に向かいて新しい歌を歌え》

BWV225 を聴いて

ここには学ぶべきものがある!

とか叫んだという伝説が残っています。

 

これは割と知られた、でも

トリヴィアルな知識でして

だからというわけでもありませんが

《主に向いて新しい歌を歌え》は

なかなか、いい曲なのでした。