以前、アグネス・チャンの歌う
「フォギ・フォギ・デュー」の
原曲について書いた記事で
バール・アイヴスという
アメリカのシンガーについて
ふれました。
バール・アイヴスの歌う同曲は
以前の記事にも貼っておいたように
インターネット上にアップされていて
簡単に聴くことができますが
もしCDが出ているのなら
手元に置いときたいのが人情。
(自分だけかも知れませんけどw)
そう思い
Amazon で検索して
見つけたのが
以下の1枚です。
(欧 EMI Plus: 724357632324、2001)
上で「欧」としたのは
リリース元が
EMI Plus (Europe)
と表示されているからです。
The Story of American Folk Music
というシリーズものの1枚で
ライナーにはシリーズで取り上げた
アーティストの紹介が載っているだけで
歌詞などはいっさい載ってません。
そこらへんは
いかにも洋盤らしいですね。
1曲1曲は
1分から3分程度と短いので
収録曲は33曲にも及びます。
そして、1曲を除き
1940年代の録音ばかり。
で、収録曲を
つらつらと眺めていたら
1曲目に入っている
Blue Tail Fly というタイトルに
目がとまりました。
これはもしかして
と思って確認してみたら
案の定で
ジョン・フランクリン・バーディン
というアメリカ作家のミステリ
『悪魔に食われろ青尾蝿』(1948)の
冒頭に掲げられていた楽曲でした。
(浅羽莢子訳、創元推理文庫、2010.12.17)
バール・アイヴスの楽曲は
1945年にリリースされたもので
トラッド・ソングを
アイヴスがアレンジしたもの
とクレジットされています。
小説の刊行年を考えると
アイヴスがリリースして
巷で流行っていたのを聴き
想を得たのかもなあ
とか思ったり。
実際のところは
分かりませんけどね。
あと、29曲目に入っている
The Three Crows ですけど
これも、もしかしてと思い
確認してみたところ
17世紀初頭のイギリスの音楽家
トマス・レイヴンスクロフトが
採集したイギリス民謡
There were three Ravens を
アレンジしたものでした。
アイヴスのCDを買う前に
たまたま立川のディスクユニオンで
レイヴンスクロフトが採集した
曲を集めたCDを買っていて
気づいた次第です。
(英 Virgin: VC7 91217-2、1991)
上掲盤の録音は1989年5月。
アントニー・ルーリー指揮
コンソート・オブ・ミュージックの演奏で
ソプラノにエマ・カークビーが
加わっています。
「フォギ・フォギ・デュー」が
聴ければいいやと思って
購入したわけですけど
思わぬ余録がついてきたわけで。
その他の収録曲も
調べてみたなら
何がしかの由来を持っていて
あれか! と思ったりする
曲なのかもしれません。
それは
いつか分かるのかもしれないし
分からないままかもしれませんけど
とりあえず上の二つだけでも満足。
とりわけ
『悪魔に食われろ青尾蝿』の
ネタ元(?)が聴けるのが
望外の喜びだったり。
買ってよかったです。(^_^)