前回、ご案内の

『ファミリー・コンサート』

(1973.11)で

アグネス・チャンが歌っている

「フォギ・フォギ・デュー」

Foggy Foggy Dew という曲は

作詞作曲者不詳になっています。

(リマスター盤の解説でも

「作者不詳」扱い)

 

そこで例によって

ちょっと検索してみたところ

イギリス伝承の民謡(フォークソング)

であることが分かりました。

 

かのベンジャミン・ブリテンによる

アレンジ版もあるみたいですね。

 

 

ただし英語版Wikipediaだと

イギリス民謡版のタイトルは

The Foggy Dew

Foggy が、ひとつ足りない。

 

Foggy がふたつあるもので

有名なのは

バール・アイヴス Burl Ives が

1940年代にアメリカで歌った

バージョンのようです。

 

Foggy Foggy Dew で検索したら

その音源がトップに出てきます。

 

 

アグネスが歌うバージョンの歌詞も

イギリス民謡版よりは

バール・アイヴス版に近い。

 

ただし

微妙に異なっているのが

また、面白いところ。

 

アグネスは

『フラワー・コンサート』のMCで

「ママからこの歌、聴きました」

と話してます。

 

歌っているのを聴いて

自然と覚えたのか

教わって覚えたのかが

はっきりしませんけど

それはともかく

歌詞が微妙に違うのは

そのためかもしれません。

 

 

ちなみに上掲の

英語版 Wikipedia によれば

バール・アイヴスは

公共の場で歌ったことを咎められ

当局が下品な歌だと判断し

投獄されたことがあるのだとか。

 

Foggy Dew は

性的な含意もある

言葉のようですが

幽霊を指すという解釈も

あるようで。

 

アグネスが聴いた際

(聴かされた際?)は

性的な含意の方ではなく

幽霊(妖怪)というふうに

捉えられていたのかもしれませんね。

 

 

ついでながら

アイルランドの古い民謡

The Moorlough Shore

メロディーだけを借りた

Foggy Dew という

アイリッシュ・バラードもあります。

 

歌詞は1916年に起きた

イースター蜂起を描き

第一次大戦時に

大英帝国のためではなく

アイルランドのために戦うよう

アジテートしたのだとか。

 

アイルランド版を紹介した

英語版Wikipedia

アップされている音源は

トラッドな感じで

なかなか雰囲気があり

聴きものです。

 

こちらは

歌詞の内容もメロディーも

アグネスが聴いたのと

明らかに違う曲ですけど

ご参考までに。