ヴィヴァルディの
《ディクシット・ドミヌス》は
3曲、知られていますけど
サヴァール盤と同じRV.595 に
2005年になって発見された
RV.807 をカップリングした1枚がこちら。
(伊 Stradivarius: STR-33812、2014.2.28)
演奏は
器楽演奏がアンサンブル・ピアン&フォルテ
合唱がアンサンブル・ヴォカーレ・
イル・カント・デ・オルフェオ
指揮はフランチェスコ・ファンナ。
上掲のリリース年月日は
タワーレコード オンラインに拠りますが
録音は2006年5月と
ライナーにありますから
再発盤なのかもしれません。
RV.595 は
これぞヴィヴァルディ
といいたくなるような
エモい演奏です。
サヴァール盤よりも数倍おすすめ。
作曲者と同郷の演奏家の演奏が
常にいいとは限りませんけど
(合唱にも器楽アンサンブルにも
他の国の人が混ざっているわけなので
同郷を云々すること自体ナンセンスだし)
近年のヴィヴァルディに関しては
イタリア勢の古楽演奏が明らかに
余人の追随を許さない魅力がある
といえそうです。
RV.807は
2005年発見といっても
それまで存在自体が
知られていたなかったものが見つかった
ということではありません。
それまで
ガルッピの作品と見なされて
保管されていたものが
ヴィヴァルディ作だと確定された
という意味の「発見」です。
RV.595 同様
Judicabit in nationibus
(主は多くの民を審き)の冒頭に
トランペットのソロが入りますが
(旋律もほぼ同じ)
これはヴィヴァルディの
《ディクシット・ドミヌス》では
3曲すべてに共通するスタイル。
RV.807 が
ヴィヴァルディ作であることの
根拠のひとつになってます。
本盤では
両《ディクシット・ドミヌス》の前に
《ディクシット・ドミヌス》の導入歌
(序唱)が置かれています。
《ディクシット・ドミヌス》の導入歌は
RV.635とRV.636の2曲しか残っておらず
それらがそれぞれの導入歌として
作曲されたものかどうかは不明ですが
両方とも聴けるのは、おトクですね。
なお、演奏者の中に
イル・カント・デ・オルフェオの
ソプラノ合唱メンバーとして
日本人の中原智子が参加しています。
また
アンサンブル・ピアン&フォルテに
オーボエ奏者として
石坂麗が参加しています。
にもかかわらず
サヴァール盤同様
日本語解説付きの
日本流通盤が出ていないという。
なんとも残念なことです。