エッセンシャル・ベスト盤は
オリジナルの音源ではなく
後年になって
録り直したものが主だったので
結局、オリジナルが収録されているCDを
買いなおすことになった次第
と書きました。
弘田三枝子は
当初、東芝音楽工業からデビューして
後に日本コロムビアに移籍しました。
そのコロムビア時代に
東芝時代の楽曲を
録りなおしたりしているので
コロムビアから出ているCDには
東芝時代の楽曲であっても
東芝時代の音源が
収録されているわけではありません。
そこで、60〜70年代の
オリジナル録音にこだわるなら
東芝EMIから出ているCDと
日本コロムビアないし
コロムビアミュージック
エンタテインメントから出ているCDの
両方を購入する必要があるわけです。
東芝時代のシングル曲が
ほぼ集成されているものとしては
こちら↓のCDがあげられます。
『ミコちゃんのヒット・キット・パレード』
(東芝EMI: TOCT-6901・02、1993.1.27)
1961年のデビュー盤『子供ぢゃないの』から
1964年の『恋のレッスン』まで
一部の洋楽ノン・カバー曲
(要は弘田のオリジナル曲)や
クリスマス・ソング集を除いた
全40曲が収録されています。
シングルとアルバムを基にした
洋楽カバー曲がセレクトされていて
ライナーには
オリジナル原盤の発売年月が
ジャケット写真とともに
掲載されています。
ジャケ写真はモノクロですけど
資料的に、たいへん貴重なもの
といえるでしょう。
当盤は後に
コロムビア時代の洋楽カバーが
8曲追加されて
スリムケース仕様で再発されました。
(東芝EMI: TOCT-11012〜3、2005.6.15)
増補するなら
コロムビア時代の曲ではなく
東芝時代の未収録曲
(Wikipedia の弘田の項目で
リストアップされている
『明日をみつめて』以下の3枚)を
収録してほしかったと
再発盤が出たときに
思ったものです。
まあ、再発自体は
後追いするファンにとって
ありがたいことかも
しれませんけれど。
自分は確か両方とも
ディスクユニオンで買いました。
(右:旧盤、左:新盤)
旧盤を立川店で見つけたとき
珍しいものが買えたと思って
ほくほくしていただけに
新盤が出たときは
ちょっとがっかりしたものです。( ̄▽ ̄)
ちなみに
「○○ちゃんのヒット・キット・パレード」
というのは
当時の東芝系アイドルの
アルバム・タイトルで
よく使われた言い回しです。
東芝時代にあたる
1960年代前半は
洋楽カバーがリリースされ
爆発的な人気を博していた頃です。
それは弘田三枝子だけに限らず
ザ・ピーナッツや伊東ゆかり
森山加代子、中尾ミエなどなど
みんな洋楽カバーを歌ってました。
同じ曲が違う歌い手に歌われるという
競作のかたちでのリリースが
当り前のように行なわれてました。
東芝時代のベスト盤は
そうした時代背景を踏まえての
洋楽カバー集というコンセプトで
編まれたものなんでしょう。
そういう時代の空気を
知ることができるだけでなく
当時からすでに
歌唱力がハンパなかった
弘田三枝子の若い頃(14〜17歳)の
声が聴けるという意味でも
おススメの2枚組です。