おとといの横浜に引き続き

昨日は、今度は池袋で

塾の会議がありました。

 

会議の前に

久しぶりにディスクユニオンに立ち寄り

何枚か買い込んだ内の1枚です。

 

ル・ポエム・アルモニーク『愛の喜び』

(仏Alpha: Alpha 513、2004)

 

日本流通仕様盤のリリース年は

タワーレコード・オンラインに拠れば

2008年6月25日だそうです。

 

演奏は

バロック・ギター、テオルボ奏者の

ヴァンサン・デュメストルが指揮する

ル・ポエム・アルモニーク。

 

邦題の『愛の喜び

〜フランスの古い恋唄[ロマンス]と

小唄[シャンソン]』は

原盤のタイトルを直訳したもので

「愛の喜び」のタイトルが目に入り

これはやっぱり買っとかねば

と思ったのでした。

 

 

「愛の喜び」については

以前、アグネス・チャン絡みで

ちょっと紹介した通りです。

 

アグネスのアルバム

『はじめまして青春』(1975)では

フランス民謡となっていたわけですが

実際は18世紀後半に

ドイツ出身のフランスの作曲家

マルティーニが曲を付けたものです。

 

作詞のジャン=ピエール・クラリスは

牧歌小説の作者でもありました。

 

そして当時、

伝統的歌謡の再発見と採譜という

ムーヴメントがあったようです。

 

そういう時代背景に即して

マルティーニの曲は

フランス古謡的な受容を

されたのではないか

と曲を位置づけた上で

収録し演奏しているのではないかと

ライナーを読んで思うわけです。

 

ライナーに直接

そういうことが書いてあるわけではなく

自分の解釈にすぎませんので

この解釈であっているかどうか

判断がつきかねるところですけど。

 

 

伴奏に使用しているのは

タンジェント・ピアノという

チェンバロとフォルテピアノの

中間のような楽器だとか。

 

ただし自分の耳には

チェンバロのようなピアノのような

といわれる音には聞こえず

普通のピアノ伴奏のように

聞こえますけれども。(^^;

 

 

「愛の喜び」以外には

「キラキラ星」の原曲である

「ああ、もう聞いてよママ」とか

(モーツァルト作曲の

 変奏曲の原曲としても有名)

ショパンが採譜した伝承曲とかも

収められていますけど

ほとんどが

フランス由来の知らない歌ばかり。

 

クラシックというより

トラッドあるいはエスニック

ないしフォークかワールド

というジャンルの棚に

並んでそうな感じ。

 

使われている楽器の中には

コルヌ・ミューズ

(フランスのバグパイプ)とか

タンブール(持続音の出せる弦楽器)

プサルテリオン(プサルタリー)など

田園趣味や異国風の雰囲気を

醸し出す楽器もあるので

よけいトラッド風に感じるのかも。

 

ほとんどの曲が

哀愁あふれる旋律であることや

また、様々な縦笛による

(原盤ライナーには flûtes とあるのみ)

伴奏が付いたりしていることも

トラッドやエスニックなテイストに

与ってるかもしれません。

 

 

ですから歌詞対訳がなくても

雰囲気は充分楽しめます。

 

歌詞日本語訳はウェブサイトにて公開

と日本語ライナーには書いてあって

勘弁してよと思いつつ

(輸入代理店のマーキュリージャパンが

 なくなってしまったようで

 リンクはすでに切れているだけに)

ノリで洋楽を聞くのと同じか

と思えなくもないわけでした。

 

そう思わせる力が

ル・ポエム・アルモニークの演奏には

あるということでしょうね。

 

 

ペタしてね