『洋楽事始』CD版

(山野楽器 YMCD-1060〜61、1998.7.21)

 

自分のバロック音楽指南書である

皆川達夫の『ルネサンス・バロック名曲名盤100』

(音楽之友社 ON BOOKS、1992)に

100曲目としてあげられていたのが

《サカラメンタ提要》(1605)で

それを収めたCDです。

 

原盤は東芝EMIから

LP2枚組でリリースされており

『ルネサンス・バロック名曲名盤100』では

「廃盤」と表示されていたのですが

その後、CD化されたことを知って

喜んで購入したものでした。

 

 

《サカラメンタ提要》は

慶長10年(西暦1605年)に

長崎で出版された典礼書で

天正少年使節が持ち帰った

印刷機によって刷られたそうです。

 

その典礼書には

グレゴリオ聖歌が

五線ネウマ譜で刷られており

それは日本最初の印刷楽譜なのだとか。

 

そのグレゴリオ聖歌・全19曲を

皆川達夫の合唱指導によって

長崎フィルハルモニア合唱団が

大浦天主堂で歌ったものを

収録しているのが Disc1。

(録音は1976年3月)

 

 

Disc2には

長崎県生月島[いきつきしま]に

伝承され続けてきた

隠れキリシタンのオラショを

三ヶ所の集落で採録して

収めています。

 

採録(録音)は

昭和20年代(1951、53、54年)と

昭和50年(1975年)のもの。

 

また、歌オラショの3曲

「らおだて」「なじょう」

「ぐるりよざ」については

原曲のグレゴリオ聖歌も歌われており

歌詞と旋律を比較できるように

構成されています。

 

 

今月の19日に

皆川達夫が老衰で亡くなったことを

mixi ニュースで知りました。

 

享年92歳。

 

今晩は

追悼の意味も込めて

久しぶりに本盤を聴ききつつ

故人の業績を偲ぶことにします。

 

 

ペタしてね

 

 

●修正(翌日21:00ごろの)

 

「生月島」の読みを

「いくつきしま」としていたので

「いきつきしま」と直しておきました。

 

ケース裏にはちゃんと

in insula Ikitsuki と書いてあるのに

空目したようです。m(_ _)m

 

あと、グレゴリオ聖歌と比較されている

「オラショの3曲」については

「歌オラショの3曲」と直しました。