皆川達夫が
『ルネサンス・バロック名曲名盤100』で
クーナウの「ダヴィデとゴリアテの戦い」を紹介した際
ジャン=パトリス・ブロスの
推薦盤としてあげたにもかかわらず
それよりも演奏としては上位のものとして
グスタフ・レオンハルトのLP盤に
ふれていたことは
すでにご案内の通りです。
その際に
皆川が紹介した当時
レオンハルト盤はまだCD化されておらず
後にCDとしてリリースされた時には
即行で買ったと書きましたが
その初CD化盤が、こちら。
(ワーナーミュージック・ジャパン
WPCS-6298〜9、1998.5.25)
グスタフ・レオンハルト生誕70年を記念し、
テルデック・レーベルから出ていた
ダス・アルテ・ヴェルク
というシリーズに録音したものを
グスタフ・レオンハルト・エディションと名づけ
初CD化も含めた全15巻(21枚組み)として
リリースされたことがあります。
第13巻にあたる本盤は2枚組で
Disc 1 が1時間ほど
Disc 2 が40分ほどという
バランスの悪い組み合わせでした。
収録時間から考えると
元のLPレコードは
3枚組ではないかと思われますが
たぶん、第1番から順番通りに
収めてなかったのではないか
という気がします。
(これについては後述)
『聖書ソナタ』を普通に演奏すると
CD1枚に収まるくらいではないかと思いますが
レオンハルト盤が長くなったのは
クーナウが楽譜に各曲に付した
どのような内容を踏まえたのか
ということ書いた前書きを
演奏の前に朗読しているからです。
それがだいたい4〜5分かかるわけで
レオンハルトの生声が聴けるのは
嬉しいのですけど
それだけではなく
演奏が始まってからも
ト書きのような簡単な状況説明が
読まれたりします。
ちょうど
ラジオでエアチェックをしている時に
ディスクジョッキーの曲紹介が
イントロに被さるような感じ。
最初に買って聴いた時は
これはいかがなものかと思い
あまり聴くことのない1枚になったことを
今回、久しぶりに聴いてみて
思い出しました。(^^ゞ
また、全部で6番まであるうち
第1番と第4番は
ポジティフ・オルガンによって
演奏されています。
楽曲が発表された当時は
クラヴィーアと指定されている場合
オルガンかチェンバロの
どちらで弾いても良かったとはいえ
やっぱりチェンバロで聴きたかった
という思いが抜けず
それも、あまり聴かなかったことに
与っているかも知れません。
ちなみに使用されているチェンバロは
1745年製のデュルケンをモデルにした
スコヴロネック制作のコピー楽器。
ダス・アルテ・ヴェルク時代に
レオンハルトが
メインで使用していた楽器です。
なお、本盤は
後にまとめられた
グスタフ・レオンハルト・エディションの
ボックスにも収められています。
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