『実験的ポップ・ミュージックの軌跡』

(1985/若尾裕訳、勁草書房、1997.7.15)

 

副題「その起源から'80年代の最前線まで」

 

タイトルが長くなるので省略した執筆者名を

フル・ネームで書いておくと

ビリー・バーグマン&リチャード・ホーンです。

 

クラシックの実験音楽と

ロックを主とするポップ・ミュージックの

クロスオーバーの始まりから

1980年代までの状況を

概観した本です。

 

 

どこの支店か忘れましたが

いずれ立川か横浜でしょうけど

ディスクユニオンで見つけた本です。

 

目次をパラパラ見てみたら

ミニマリズム関連の名前が目に入り

本の状態は少々悪かったのですけど

お値段もリーズナブルだったので

買ってみた次第。

 

少し前から

就眠儀式代わりに読み始めて

教、読み終えたんですけど

これはミニマリズムや

その周辺の音楽に関心のある人であれば

必読ではないかと思いました。

 

 

特にスティーヴ・ライヒと

フィリップ・グラスへの言及が多く

参考になります。

 

ペンギン・カフェ・オーケストラの名前も

最後にちょろっと出てきますが

ほんとに「ちょろっと」という感じなので

少々物足りないですけど。

 

 

ちなみに

「新しい音の探求」という

第2章を読んで思ったのは

たとえばワンダ・ランドフスカの

モダン・チェンバロの音がもてはやされたのも

新奇な音を求めるエクスペリメンタリズムと

無関係ではないのかなあ

ということでした。

 

単なる思いつきですが

備忘もかねて書いておくことにします。

 

エクスペリメンタリズム

という言葉があるのかどうか

分かりませんけど

本書の原題

エクスペリメンタル・ポップ

を踏まえたものとして

ご理解いただければと。

 

 

原書が1980年代の頭までなので

日本語版では柴 俊一という方が

その後の展開を補足解説しています。

 

そこではジョン・ゾーン

マイケル・ナイマンが

取り上げられていまして

ゾーンもナイマンも

当ブログで取り上げたことがあるので

なんかトクした感じ。

 

これでハウシュカの名前が出てくれば

自分的には完璧でした。

 

 

巻末には

編集部が依頼して

ディスクユニオンの方に作ってもらったという

CD主体のディスコグラフィが付いており

1997年5月現在までとはいえ

これはありがたい。

 

中にはすでに持ってるのもありますが

もちろん持っていないディスクの方が多く

(特にロック系)

またまた出費がかさみそうで

悩ましい限りではあるものの

買う時の指針になるので助かります。

 

 

ただ、これで造本が

もうちょっとしっかりしてれば

と思わずにはいられないところも

ありまして。

 

買った時すでに背が歪んでましたが

それはまあ、古本だからしょうがない。

(オビが付いてるだけマシ)

 

『実験的ポップ・ミュージックの軌跡』束(部分)

 

紙が厚いからなのか糊の具合なのか

開きにくい感じですし

コピーする時みたいに

のど元まで開こうとすると

パキッと割れそうな平綴じなのは

読んでて、ちょっと怖い。

 

向こうのペイパーバックにも

背中が割れそうなくらい

分厚い本があったりして

古本だと割れているものも多く

それと似てますけど

何度も開いているうちに

バラバラになりそうな造本は

この手の本では勘弁してほしいなあ。(´・ω・`)

 

 

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