昨晩は、22:30から
NHK BSプレミアムで
『シリーズ 深読み読書会「江戸川乱歩“孤島の鬼”」』
という番組がオンエアされました。
知り合いの大学の先生が解説者として出る
という情報を得たので
観てみることにした次第。
そしたら
オンエア直前の番組予告スポットで
同日の23:30に
『満島ひかり×江戸川乱歩』をやる
というのが流れ
知ってしまった以上
そちらも観ることになり
結局30日から31日にかけて
時ならぬ乱歩祭りになった
という不思議。
『深読み読書会』の方は
ネタバレのオンパレードでした。
まあ、「深読み」という趣旨だし
関心がある人くらいしか
観ないでしょうから
いいんでしょうけど。
ただ、話の流れで
エラリー・クイーンの某作品の真相が
臭わされていて
ちょっと気になりました。
今はこういう番組構成でも
目くじらを立てる人がいない
という判断なんでしょうかね。
メインに取り上げる『孤島の鬼』は
創元推理文庫版のカバーが
でかでかと映ってましたけど
その他の乱歩作品集を紹介する際
使われていた春陽文庫版のカバーを
すべて取り外してましたね。
また、高橋源一郎だったかは
創元推理文庫版ではなく
光文社文庫版を持っていました。
創元推理文庫版は
「孤島の鬼」を書名に冠しているだけでなく
当時の挿絵も復刻して載せていますし
乱歩文庫シリーズの第1巻であると
表紙で謳っていますから
使い勝手が良かったものか。
それにしても
春陽文庫版にだって
書名に冠しているものがあるんですけど
そちらが使われないのは
底本に使っている
テキストの違いにもよるのでしょうか。
『深読み読書会』は
23:30までの1時間の放送で
続けざまに
始まりました。
満島ひかりの乱歩作品への出演は、これまで
2016年1月11日にオンエアされた
「D坂の殺人事件」「心理試験」
「屋根裏の散歩者」のオムニバス
『1925年の明智小五郎』と
同年12月26日オンエアの
「何者」「黒手組」「人間椅子」のオムニバスである
『妖しい愛の物語』があります。
「人間椅子」を除く5本では
明智小五郎を演じていたそうで
観たかったなあと思っていたのですが
今回はどれも明智ものではなく
それぞれの作品に登場するヒロインを
演じていました。
今回の3本の原作と演出は以下の通り。
第1幕「お勢登場」演出・佐藤佐吉
第2幕「算盤が恋を語る話」演出・森ガキ侑大
第3幕「人でなしの恋」演出・渋江修平
このセレクトの中では
「算盤が恋を語る話」が実に渋い。
初映像化ではないでしょうか。
それにしても、あのオチは
原作になかったよなあ
とか思ったり。
最初に「お勢登場」を観た時は
小説の地の文にあたるところを
朗読しながら進んでいったので
そのまま台詞なしでいくのかなあ
と思っていたら
ちゃんと役者の台詞もありました。
とはいえ、朗読がメインなので
ドラマのようでドラマでない
なんだか不思議な感じでした。
「人でなしの恋」は
満島自身の朗読でしたけど
一ヵ所だけ、読み方(アクセント)が
気になったところがあって
ちょっと残念。
その「人でなしの恋」で
重要な役割をはたす人形は
球体関節人形でした。
今、映像化するとすれば
球体関節人形の方が
リアルなんでしょうけど
ちょっと残念といえば残念。
なお、人形師は
エンディング・テロップだと
よく分からなかったので
検索してみたところ
陽月(ひづき)という方のようです。
自分的には
満島ひかりといえば
『ウルトラマンマックス』(2005〜6)の
アンドロイド、エリーが
すぐさま思い出されます。
それしか知らないというか。(^^ゞ
あ、あと実写版『ど根性ガエル』(2015)を
たまたま通りすがりで観たとき
ピョン吉の声をあてていて
びっくりしたことがありましたっけ。
それにしても、やっぱり
エリーという印象しかなかったので
今回の演技を観て
びっくりさせられました。
相変わらずエリーっぽいといえば
エリーっぽかったですけど
面白い女優さんになったなあと
感慨にふけってしまったのでした。
(誉めてます、念のため)
「人でなしの恋」で
19の娘が結婚を前に
恥ずかしがっているシーンや
深夜、土蔵をうかがっている時
ガマガエルを払うシーンなどは
コミカルで面白かったです。
そこからの
人形との、あのシーンですからね。
満島ひかりの
「シリーズ 江戸川乱歩短編集」、
今回のも面白かったし
話題となった明智を観ていないので
ソフト化してほしいなあ
と思っていたら
シリーズの1と2は
すでに発売済み
かつ売切れのようで。(´・ω・`)
情弱にもほどがある。
来年もこんな感じでしょうかねえ。
それではみなさま、良いお年を。(^_^)
