金曜日(9月21日)は
今年の3月に引き続き
東京カテドラル
聖マリア大聖堂で開かれた
ハインリッヒ・シュッツ合唱団・東京
創立50周年記念演奏会 その3
「シュッツ音楽の華」に
行ってきました。
今回は2度目ということもあり
地下鉄・江戸川橋駅近くで
食事を済ませて
前回見つけた古本屋に
寄っていこうと思っていたら
何とお休みだったという……Orz
しょうがないので
18:30の開場前に現着して
関口会館のホール(下の写真右手)で
しばらく待つことに。
時間になって入場すると
ステージの方では
チェンバロの調律中でした。
チェンバロの手前にあるのが
今回のお目当てのひとつ
バルダキン・オルガン。
バルダキンというのは
「天蓋」という意味。
手動のふいごで風を送る
一段鍵盤の小型オルガンで
16世紀モデルのコピーです。
下手側の席を確保したところ
河合塾の採点の仕事で
ご一緒している方を
(前回とは別の方を)見かけ
並んで観覧と相成りました。
セット リストは以下の通り。
01.新しいパッサメッツォ 第3番(作者不詳)
02.涙とともに種蒔く者は SWV378
03.主よ、我なんじにより頼む SWV377
04.我眠りたれども心は醒めて SWV63
05.なんじは我が心を奪えり SWV64
06.我山に向かいて目を上ぐ SWV31
07.ひとりの嬰児われらのために生まれたり SWV384
08.シオンは言えり「主、われを捨てたまえり」と SWV46
(休憩)
09.優しきマリア(A・シュリック)
10.わが魂は主を崇め SWV494
11.児よ、何故かかる事を我らに為しぞ SWV401
12.我は真の葡萄の樹 SWV389
13.無花果の樹を見よ SWV394
14.おんなよ、何ぞ泣くか? SWV443
15.サウロ、サウロ、何ぞ我を迫害するか? SWV415
16.そは信ずべく正しく受くべき言葉なり SWV388
17.主に感謝せよ SWV45
18.神はその独り子を賜ふほどにこの世を愛し給へり SWV380
今回は
前半・後半冒頭のオルガン独奏を除き
オール・シュッツのプログラムですが
『ダヴィデ詩編曲集』SWV22-47、97-256
『宗教合唱曲集』SWV369-397
『カンツィオーネス・サクレ』SWV53-93
『シンフォニエ・サクレ 第3集』SWV398-418
『白鳥の歌』SWV482-494
など、さまざまな作品集からとられています。
受難曲やオラトリオ、
『音楽による葬儀』など
まとまった大曲なら
CDを持っていて
聴いたことはありますが
上にあげたような曲集になると
全集以外では入手が難しいものもあるため
CDも持ってないし
あまり聴く機会がありません。
その意味では貴重な機会だったわけですが
代わりに予習ができていないため
また、短い曲が多いこともあり
なかなか興味が持続せず
レクチャー・コンサート風だと
ありがたかったなあと思ったのは
ここだけの話。(^^ゞ
シュッツの場合
ヴェネツィア(イタリア)で
合唱団を教会の両陣に配して
一種のステレオ効果を演出した
ジョヴァンニ・ガブリエリに
学んでいることもあり
独唱者や合唱団の配置にも
いろいろこだわりが
ありそうなんですけどね。
シュッツの合唱曲は
アカペラ(無伴奏)のものや
オルガン伴奏のみのものの他に
アンサンブルの伴奏がつくものが
いくつかあります。
今回は
チェンバロないし天蓋付きオルガン
(あるいはその両方)とヴィオローネが
通奏低音を担当し
ヴァイオリンの他に
ツィンク(コルネット)、リコーダー、
ドゥルツィアン(ファゴットの前身)などの
木管グループと
ナチュラル トランペット
サックバット(トロンボーン)による
金管グループ、
それにティンパニが加わった
器楽伴奏付きの楽曲も演奏。
もちろん、すべて古楽器です。
古楽器演奏のCDは
さんざん聴いていますし
バッハのマタイのような
大編成の演奏も
見たことはありますが
今回はまた格別でした。
というのも
コンサートホールに比べると
音色が断然、違うのですね。
特にナチュラル トランペットや
ティンパニの音を聴いていると
バッハの『狩りのカンタータ』は
こんな風に豊かな響きなんだろうなあ
という連想が働いて
感動もひとしおでした。
バルダキン・オルガンも
あんなに小さいのに
まるで大オルガンのように
朗々と鳴っていたし
それでいて
音色に押しつけがましさがない。
バルダキン・オルガンを演奏したCDは
以前、買って、持っているのですが
当然ながら
ふたつのふいごを
操作する(上げ下げする)様子を
見ることはできないわけでして
それを見ることができて大感動です。
ちょっと不思議だったのは
曲によってはチェンバロとオルガンとが
通奏低音を演奏する場合があり
そのときはふいご手が
いなかったこと。
電気でも送風できるような
システムなのかなあ
とか思ったり。
オルガン独奏は
バルダキン・オルガンを演奏した
CDをリリースしている
武久源造です。
「主に感謝せよ」では
武久自身がふいご手になっていて
びっくり。
それだけではなく
最後の「神はその独り子を賜ふほどに
この世を愛し給へり」では
合唱団の中に混ざって
歌ってました。
最後は器楽奏者も加わって
全員での合唱でしたけど
武久氏以外は
申し訳ないことに
分からなかったです。
チェンバロは
華麗な装飾が施されたものではなく
鼠色の単色の板張りだったのが
かえって印象的でした。
何をオリジナルとする
コピー楽器なのか
パンフレットにも
書かれていないため
残念ながら分かりません。
途中、15分の休憩を挟んで
すべてのプログラムが終了したのは
21:10ごろ。
例によって物販はもちろん
アンコールもありませんでした。
今回は前回と違い
行きは雨降り
帰りは小やみという感じで
気分的には助かったかな。
次回のコンサートも楽しみですが
次はちゃんと予習していこうと
心に誓ったのでした。
●修正(翌日22:45頃の)
アップできていなかった写真を
アップするとともに
文章を少しだけ直しました。