(ビクター エンタテインメント VICC-60382、2003.12.17)
こちらは、前回ふれた
バロック・アンサンブル
ラ・フォンテーヌの鍵盤楽器奏者
水永牧子の2枚目のソロ・アルバム。
CDのタイトルは
収録曲のひとつ
武満徹、唯一のチェンバロ曲
Rain Dreaming(1986)から
採られています。
その他にも
キース・ジャレットの
チェンバロのためのフーガ(日本初演)に加え
ピアソラの映画音楽や
バルトークのミクロコスモスを
チェンバロで弾いたりするなど
バッハやパーセル、ヘンデル、
デュフリなどのバロックと共に
現代曲が収録されているという
ちょっと変わった1枚ですね。
最後のトラックは
バッハのゴルトベルク変奏曲の
アリアの低音部に
水永のオリジナルによる
上・中声部を乗せたものが
演奏されています。
これはちょっと珍しい。
バロック音楽をじっくり聴きたい
という方には向きませんが
チェンバロの音に
ひたりたいという方なら
楽しめるのではないかと思います。
バッハは有名どころのさわりだけ
という印象は拭えませんが
パーセルの「グラウンド」や
デュフリの「ポトゥアン」は
なかなかの名演です。
それよりなにより
チェンバロの音色が
実に美しいのですけれど
残念ながら使用楽器は
どこにも表記されていません。
チェンバロの調律を
梅岡俊彦が担当していますので
梅岡楽器サービスの楽器かもしれませんが
HPを見てみても
ライナー掲載の
写真の楽器と同じものは
確認できませんでした。
ざんね〜ん。(´・ω・`)
ちなみに本盤のライナーは
通常の冊子体とは違い
内側の見開き部分が
観音開きになっていて
ちょっとおしゃれ。
写真だと分かりにくいかもしれませんが
左側の山なりになっている方は
観音開き部分が閉じた状態で
右側は開いている状態。
ディスクのレーベル面に
チェンバロの写真がプリントされている他
タスキ(オビ)裏にも
チェンバロの鍵盤部分が
印刷されており
まさにチェンバロづくし。
珍しい現代曲も入っていますし
チェンバロ好きなら
持っておきたい1枚かも。(^_^)