アグネス・チャンが

カナダ留学時代に

日本でリリースしたアルバムは

前にも書いた通り

全部で三つあります。

 

ひとつめの『お元気ですか』(1977.3)は

フル・オリジナル・アルバムでしたが

ふたつ目の『私の恋人』(1977.8)から

洋楽のカバー曲が混ざるようになりました。

 

『私の恋人』に

ウィルマ・ゴイクの

「花咲く丘に涙して」と

シルヴィ・バルタンのカバーが

収められていることは

すでにアップした通りです。

 

カナダ留学時代にリリースされた

アルバムの三つ目が

2枚組のアルバム

『カナダより愛をこめて』(1977.11)で

このアルバムには

シングル・カットされた

ウィルマ・ゴイクのカバー曲

「花のささやき」の他に

シルヴィ・バルタンのカバーと

ルベッツのカバーが収められています。

 

 

リリース当時

懐の関係もあり

LPレコードは購入しなかった、

できなかったのですけど

のちにCD化されており

そちらで購入しています。

 

『カナダより愛をこめて』CD

(wea JAPAN: WPC6-8084〜5、1994.12.21)

 

販売元はワーナーミュージック・ジャパンです。

 

 

リリース当時に買っていないので

アルバム収録曲には今ひとつ

思い入れというものがなかったのですけど

改めて見てみると

ミッシェル・マロリーが絡んでいる曲があり

これはと思って調べたら

やはりバルタンのカバーであることが判明し

そうと知ってみれば

見方も変わるというものでして。

 

現金なものです。( ̄▽ ̄)

 

 

ディスク1、B面の2曲目

「小さな風船(Toi jamais)」は

バルタンのアルバム『そよ風のブロンド』

(1976)に収録されている

「あなたは決して……」のカバーです。

 

同じくディスク1のB面、3曲目

「瞳のおしゃべり(Masculin singulier)」は

バルタンのアルバム

『愛のひとりごと』(1976)収録の

「あなたの瞳に」のカバー。

 

そしてディスク1、B面の最後

6曲目の「卒業(Souvenirs)」は

バルタンの『愛のひとりごと』収録の

「スーベニール(思い出)」のカバー

ということになります。

 

 

この中で

アレンジによって

もっとも印象が異なるのが

「小さな風船」ですね。

 

バルタンのオリジナル

「あなたは決して……」は

ミッシェル・マロリーの歌詞に

マルク・ブノワストという人が

曲を付けたものですけど

何となくアラビアンなテイストを

感じさせます。

 

重いギターの音に乗って

Jamais!(ジャメ!)というフレーズを

バルタンが叩きつけるように

力強く繰り返すのが

印象的な1曲なんですけど

アグネスのバージョンになると

フォルクローレ風というか

アジアン・テイストも感じられるから

不思議なんですよね。

 

アラブもアジアも

東方という点では

共通してるかもしれませんけど。

 

 

「瞳のおしゃべり」=「あなたの瞳に」は

バルタンのオリジナルだと

ディスコティックな音づくりで

その後のディスコ調の楽曲を彷彿させますが

アグネスのバージョンは

軽快なアイドル・ソングになっています。

 

オリジナルの歌詞はミッシェル・マロリー

作曲はジャック・ルヴォーです。

 

このジャック・ルヴォーは

クロード・フランソワが作曲して歌った、

「マイ・ウェイ」の原曲として知られる

「いつものように」の

共同作曲者でもあります。

 

 

ちなみに

バルタンのオリジナル曲は

後にキャンディーズや

石川ひとみによっても

カバーされました。

 

まだ聴いたことがないのですが

石川ひとみのレコードは

中古で購入済みなので

そのうちに針を落として

感想をアップできればと思います。

 

キャンディーズのレコードは

これから探さねば……( ̄ー ̄;

 

 

「卒業」=「スーベニール」は

バルタンのオリジナルと

アグネスのバージョンとに

大きな印象の違いはありません。

 

オリジナルは

ミッシェル・マロリーの

作詞作曲です。

 

 

『カナダより愛をこめて』では

この他にディスク1、B面4曲目

「夢の中で(I'm Just Dreaming)」が

ルベッツというイギリスのバンドの

カバーになります。

 

3枚目のアルバム

Rubettes(1975)に

収められている曲ですが

日本盤が出たかどうかは

分かりませんでした。

 

YouTube に音源がありましたので

以下に貼り付けておきます。

 

 

日本のみならず

世界中でヒットしたのは

デビュー曲の

「シュガー・ベイブ・ラヴ」(1974)

のようです。

 

Wikipedia によれば

日本では

キャンディーズや Wink が

カバーしているだけでなく

CMにも使用されたようで。

 

本盤でアグネスが

「夢の中で」をカバーしたのは

ディレクターのセレクトなのか

アグネス自身の趣味なのか

ちょっとした謎です。

 

 

以上『カナダより愛をこめて』収録の

カバー曲はすべて

日本語詞を三浦徳子が

アレンジを船山基紀が担当しています。

 

『私の恋人』収録曲も含め

アグネスがバルタンの曲を

5曲もカバーしていることは

ほんと、意外でしたし

初めて聴いてから40年以上経ってから

オリジナルを知ることができて

ほんと、感動してます。

 

長生きはするものですね。(^~^)

 

 

それにしても

アグネスがバルタンを

カバーしていることは

当時から洋楽ファンや

アグネスのファンに

知られていたことなんでしょうか。

 

だったらもう少し

そういう情報が

流れてきてもいいはずなんですけど。

 

もっとも流れてきても

少し前の自分なら

「ふーん」で

終わっていたでしょうけどσ(^_^;)

 

 

こうと分かってみれば

『アグネス、バルタンを歌う』という

ミニ・アルバムを出せとはいわないまでも

(出してくれると嬉しいけどw)

『カナダより愛をこめて』は

CD化済みなんだから

その流れで

『お元気ですか』と

『私の恋人』をカップリングした

CDを出してくれないものか

と、ひたすら願うばかりでございます。

 
 
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