藍川由美『『喜びも悲しみも幾年月』〜木下忠司作品集』

(カメラータ・トウキョウ 30CM-485、1997)

 

過ぐる4月30日に

木下忠司が亡くなったという

ニュース記事をネットで目にして

昔、購入したCDを

久しぶりに聴いてみました。

 

 

これを買ったころは

藍川由美のCDを集めていたときで

本盤もそれで購入したのですが

『水戸黄門』(1969〜 )の主題歌

「ああ人生に涙あり」以外

ほとんど聴いた覚えのない曲ばかり。

 

『特捜最前線』(1977〜87)の主題歌

「私だけの十字架」なんて

懐かしのテレビ・ドラマを紹介する番組で

聴いただけかもしれません。

 

だから聴く機会も

少なかったのですけどね。

 

 

映画『喜びも悲しみも幾年月』(1957)の

同名の主題歌にして

本CDのタイトル曲は

映画を観たことがないのに

なぜか知っています。

 

子どもの頃

創唱者の若山彰の映像を

NHKの懐メロ番組か何かで

観ていたか

誰かのカバーで耳にしていた

ということでしょうかね。

 

 

木下忠司は

「木下恵介アワー」の主題歌・挿入歌や

アニメの主題歌・挿入歌も

たくさん書いています。

 

「木下恵介アワー」は

TBS系列なので

観ていた可能性が高いのですが

ほとんど覚えていません。

 

「木下恵介アワー」枠で放映された

ドラマ『二人の世界』(1970〜71)の

同名の主題歌は

かろうじて聴き覚えがあるような

ないような……

 

あおい輝彦のヒット曲だそうなので

歌番組などでそちらを

聴いたことがあるのかも。

 

 

本盤に収録されているアニメの曲では

『カリメロ』第1シリーズ

(1972〜73/日本放送は74〜75)の

主題歌「ぼくはカリメロ」などが

懐かしいし、よく覚えています。

 

とはいえ

「♪プリシラ大好き」

というフレーズの

「ラ」の音が

半音ほど下がる旋律だとは

本盤を聴くまで

思いもよりませんでしたけど。

 

 

アニメ関連では

映画『安寿と厨子王丸』(1961)や

『バーバパパ』1977年版の挿入歌が

収録されていますけど

どちらも映像は未見。

 

『バーバパパ』挿入歌

「バーバズーのうた」の

異様な暗さ(?)には

びっくりさせられますけど。

 

 

一部の曲を除き

ピアノ伴奏で歌われるんですけど

(2曲は足踏みオルガン、2曲は無伴奏)

伴奏譜も木下忠司が

書いているんでしょうかね。

 

どこにも書いてないのさあ。

 

映画『破れ太鼓』(1949)の

同名の主題歌のピアノ伴奏や

「喜びも悲しみも幾年月」

間奏部のピアノ演奏は

なかなか聴きごたえあるだけに

(後者は小川寛興みたい)

ちょっと気になってます。

 

映画『破れ太鼓』では

作曲者本人が

作曲者を志す若者役で出演し

自作自演したそうですけど

ちょっと観てみたいかも。

 

 

出征前に自費出版したという

『海の聲—五つの歌曲—』(1940?)は

さすがに伴奏譜も

本人の手によるものでしょうけど。

 

三好達治や堀口大学の詩に曲を付けた

この歌曲集は

クラシックの作曲家

諸井三郎に指示していた頃に

書かれたものだそうですけど

山田耕筰、中山晋平、橋本國彦などの

芸術歌曲(純音楽)にも劣らない

と思うのは、素人考えでしょうか。

 

 

最後になりましたが

故人のご冥福を祈ります。

 
 
ペタしてね