『Papa told me』Cocohana ver.6

(集英社マーガレット・コミックス、2018.2.28)

 

仕事帰りに、ふと立ち寄った

近所の新刊書店の棚で

見つけた次第です。

 

見つけられて良かったー。( ̄∀ ̄)

 

 

巻号数の外に付けられたサブタイトルは

「星へ続く階段」

 

裏表紙側のカバー袖には

作者が「階段愛」について

語っていますけど

それと対応しているのかしらん。

 

 

また、巻末には

昨年の4月に雑誌に載った

連載30周年を記念する

スペシャル・インタビューも

再録されています。

 

それにしても

2017年で30周年ということは

1987年に始まったということかあ。

 

よくぞ続いてくれました。(^_^)

 

 

今回収録されている

各エピソードを読んで感じたのは

シルバーエイジというか

結婚して子どもが成長して

家庭から巣立ったあとの世代を

フィーチャーした話が

多いなあということでした。

 

よくよく読めば

そういう世代の話ばかりでは

ないんですけど

自分の年齢的なものもあって

そういう話ばかり

印象に残るんでしょうかねえ。

 

 

あと、

女性の側がバツイチの恋愛

という設定も

多いというか

印象に残りました。

 

これは作者からの

現代女性へのエール

という意味合いも

あるのかもしれませんね。

 

 

でも個人的には

世間的な関係性からは

ちょっとズレたところにいる人たちを

暖かく見つめている話が

好きですけどね。

 

それもまた

自分の立ち位置を投影して

勝手に癒されてるのかも

しれませんけれど。σ(^_^;)

 

 

知世ちゃんがお父さんとの

「正式な」花見をする話は

連載が30年続いてきただけあって

知世ちゃんを中心とする

プライベートな関係性の暖かみが

よく感じられる話でした。

 

こういうふうに

知世ちゃんを中心点として

実は周囲のさり気ない気遣い

……というと、ちょっと違うなあ。

 

周囲が自分の好きなことや

得意なことをすることで

結果的に

善意の押しつけにならず

周囲も楽しんでいるような

暖かい空間を形成する話

といった味わいが

魅力でもあるような気がします。

 

 

連載が始まった当初は

世間並みとは違う家族関係が

世間の常識に圧しつぶされないように

鎧には見えないけれど

それなりの鎧を

まとっているようなところが

魅力だったように思います。

 

それが30年も連載が続くことで

知世ちゃんとお父さんの生き方に

共鳴するキャラクターが

相互につながりあって

親密なんだけど

ベタじゃないコミュニティを

形成するに至ったという感じでしょうか。

 

正式な花見の話を読んで

そんなことを考えさせた次第です。

 

 

あと、かぐや姫の話では

知世ちゃんのお父さんが

いまだに亡き妻のことを

想っていることを、さり気なく

示されていました。

 

シリーズの初期には

こういう、お父さんの屈託も

よく描かれていたものでしたが。

 

 

そういうシリーズの初期作も含め

今まで書かれたすべてが

30周年を記念して

電子書籍化されたようです。

 

好きな本は形あるものとして

持っていたいので

電子書籍という形態は

個人的には、好みではないのですけど

品切絶版がなくなったことを

素直に言祝ぎたいですね。

 

 

ペタしてね