『今年の冬』

(BMGファンハウス BVCS-29607、2003.1.8)

 

前にも書いたかもしれませんが

少し前から

日本人アーティストによる

「夢みるシャンソン人形」の

カバーに興味を持ち始めてまして

本盤もその絡みで

購入したものです。

 

CDの正確なタイトルは

〈松本英子 featuring 槇原敬之『今年の冬』〉

となるかと思います。

 

表題曲とそのカラオケの他に

「夢みるシャンソン人形」の

フランス語歌唱が収められています。

 

 

松本英子という

シンガーソングライターを

知らなかったこともあり

あまり期待していなかったのですが

聴いてみて、びっくり。

 

「夢みるシャンソン人形」のカバーに

興味を持ったきっかけが

ジューシィ・フルーツの

「夢みるシェルター人形」(1982)

ヴァージョンであることもあり

それを頂点として

60年代のアレンジはともかく

70年代以降に歌われるものは

アイドルの手すさびくらいに

思っていました。

 

現実のアイドルが

アイドルを操り人形に見立てた

歌を唄うという

倒錯的な面白さを

プロデューサーが狙っている、

それが見え見え

とでもいいましょうか。

 

セルジュ・ゲンズブールのノリにも

そういう倒錯性に

由来するものがあったと思いますけど

だからそれを

ロックにしちゃっただけでなく

過激で秀逸な歌詞を載せた

ジューシイ・フルーツのアレンジが

いろんな意味で

最高だと思っていたのですね。

 

ところが

松本英子の演奏は

ジューシイ・フルーツですら

パロディとして残していた

可愛いさを取っ払い

歯切れよく歌い上げており

これが実にカッコいいのですね。

 

編曲は清水俊也(しゅんや)。

 

 

びっくりしてしまって

あわてて「松本英子」で

検索かけてみたりすると

松本版が

SUZUKI の MR wagon のCMに

使われていることが分かりました。

 

それならというわけで

映像を探してみたら

YouTube にアップされていまして

 

 

米倉涼子が起用されているこのCM

まったく観たことがないというか

観ていたとしても

その頃はフランス・ギャルとかに

興味がなかったので

記憶に残らなかったでしょう。

 

 

そのうえ

CM映像が終わると

下北沢の SEED SHIP という

ライブハウスで

「夢みるシャンソン人形」を演奏している

近年の映像が

続けて流れたんですけど

何気なく、それを続けて観て

ぶっ飛んでしまいました。

 

 

CDではエレギだった(と思う)定旋律を

ピアノが担当しているのですが

それが、す〜ごく、いい!

 

アレンジから歌唱から

こんなカッコいい

「夢みるシャンソン人形」の演奏は

唯一無二ではないかしらん。

 

「夢みるシャンソン人形」って

こんなにカッコよく歌える曲なのかと

目からウロコが落ちまくりました。

 

 

間奏のピアニカもいいですね。

 

これはおすすめ。

 

このアレンジの音盤が欲しいです。

 

 

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