そして宍戸留美が歌っている
「samida-rain」ですが
実は、作詞作曲者の
上田健司自身のバージョンも
リリースされています。
それを収録しているのが
こちらの『楽しい追憶』。
(Kamuy Record: KMY-011A&011B、2013.10.9)
こちらのCDは
2013年11月6日に
渋谷にあるLive & Pub
gee-ge で開かれたライブ
「宍戸留美&上田健司
合同リリースパーティー
〜ルンルンお誕生日おめでと〜」
に行った際、購入したものです。
『Ruminessence』のリリースが
宍戸留美の誕生日でもある11月13日で
同アルバムをプロデュースした上田健司自身も
10月9日にアルバム『楽しい追憶』をリリース
というわけで企画されたライブでした。
こちらのレポは
当ブログにはアップしてませんけど
セットリストのメモは残っていて
それによれば
上田版の「samida-rain」と
宍戸版の「samida-rain」を
それぞれ生歌で聴き比べられた
すごいライブだったようです。
上田健司のMCで
「samida-rain」を
キョンキョンに提供することになった
裏話とかも聞けたりなんかして
とにかくスペシャルな一夜でした。
その時の物販で購入して
ジャケットに
サインを入れてもらったのでした。
このジャケット
見開き両翼の内側から
ディスクを取り出すように
なっているんですけど
これが実に取り出しにくかったり。
ジャケ背側に折り返せば
簡単に取り出せるのですけど
書籍などでも
傷むからという理由で
90度以上開くことすら
ためらいがちの自分には
とても無理。
これだけは
何とかしてほしかった……( ´(ェ)`)
まあ、それはともかく
本盤は2枚組で
DISC 1 は
バンド the pillows 時代の曲や
小泉今日子や加藤いづみに提供した曲の他
今回、書き下ろした曲を収録しており
すべてアコースティックギターでの
(ブルースハープが加わることもある)
弾き語り演奏になっています。
DISC 2 は
2001年に発売した
限定アナログシングルを
リマスターした4曲を収録とのことで
エレキをガンガン鳴らしている
バンド仕様です。
「samida-rain」は DISC 1 に収録。
冒頭、
口笛でメロディーをとっているのが
印象的ですけど
セルフカバーというより
デモテープのような印象を受ける
仕上がりになっています。
シンガーソングライターが
他のアーティストに提供した曲を
セルフカバーするのは
しばしばあることですけど
興味深いのは、本盤の場合
音を極限まで絞っていること
でしょうか。
それがデモテープのような印象を
醸し出してもいるわけですけど
その、音を絞るということに
上田健司の姿勢なり思想なりが
示されていると考えるなら
本盤のアレンジも
味わい深く感じられるわけでして。
宍戸留美の『Ruminescence』では
本盤から、「samida-rain」の他
DISC 1 の「乱れてロンリー」「ランプ」
DISC 2 の「君はライダー」が
カバーされていて
聴き比べを楽しむことができます。
上田のヴァージョンだと
エレキがガンガン鳴っている
「君はライダー」ですが
宍戸留美の盤では
アコースティック・テイスト強めに
アレンジされています。
ラストのサビや後奏は
(自分の知ってる範囲だと)
プログレみたいな感じですけど。
これは宍戸版の方が好きかな。
久しぶりに聴いてみて
ちょっとびっくりしたのは
「ランプ」が超難曲であること。
作曲者自身
半音の連続するような旋律を
どうかすると
揺らがせそうだったのに
(わざと、かもしれないけど)
宍戸留美は
むしろその揺らぎを
武器にしているというか
ズレそうでズラさず
丁寧に歌い上げていて
これには脱帽しました。
ちなみに
『楽しい追憶』DISC 1 の
「見たい鏡」と「水時計」を
加藤いづみが
『ピンクノイズ』で歌っていて
やっぱり聴き比べが楽しめます。
これはどちらも
加藤版の歌唱の方が好き。(^_^)