ネマニャ『バッハ』

(ユニバーサル ミュージック

 UCCG-1749、2016.10.19)

 

レーベルはドイツ・グラモフォン。

 

海外レーベルの統廃合が著しくて

詳しいところは追いきれませんが

ドイツ・グラモフォンは1999年に

ユニバーサル ミュージックの

一部門になったようです。

 

 

過ぐる7月23日放送の

『題名のない音楽会』は

「ネマニャの音楽会」と題して

セルビア出身のヴァイオリニスト

ネマニャ・ラドゥロヴィチがゲストでした。

 

そこで演奏された

バッハのヴァイオリン協奏曲

第1番 第1楽章が印象的だったので

購入したのが今回のCDです。

 

番組では

田中祐子指揮・東京管弦楽団との

共演でしたけど

バッハの時だけ小編成になり

チェンバロまで加わっていたのが

ちょっと印象に残りました。

 

チェンバロの奏者が誰なのか

分からないのが残念です。

 

 

CDの方には

番組で披露された

ヴァイオリン協奏曲第1番全曲の他

2つのヴァイオリンのための協奏曲全曲

管弦楽組曲 第3番からエア(G線上のアリア)

無伴奏ヴァイオリン・パルティータ

第3番からガヴォットが

オリジナル編成で。

 

編曲ものとして

無伴奏ヴァイオリン・パルティータ

第2番からシャコンヌ(弦楽合奏版)

オルガン曲として有名な

トッカータとフーガ ニ短調(弦楽合奏版)が

収録されています。

 

さらに、バッハの息子の一人で

通称〈ロンドンのバッハ〉と呼ばれる

ヨハン・クリストフ・バッハが書いたと伝承され

その後、アンリ・カサドシュの偽作だと判明した

ヴィオラ協奏曲が収録されています。

 

 

2曲のバイオリン・コンチェルトは

早い楽章の疾走感がハンパないです。

 

自分は早い演奏が好きなので

これは良かったですね。

 

2つのバイオリンのための協奏曲には

YouTube の方に

不思議なイメージのPV(?)が

アップされておりました。

 

 

『不思議の国のアリス』のモチーフも

入っている感じがするし(特にラスト)

クラシックのPVにしては

実にトンがってます。(^▽^;)

 

ロックのPVのようにも思えるのが

すごいですね。

 

 

トッカータとフーガ ニ短調は

ライナーの解説にもありましたが

もともとはヴァイオリンのための曲として

作られたのではないかという説もあり

実際にヴァイオリン協奏曲としての録音も

これまでにもされたことがあるようです。

 

残念ながら手許にはありませんが(たぶんw)

 

こちらは公式のPVも作られており

YouTube にアップされています。

 

『題名のない音楽会』で

ネマニャを紹介するナレーションの

バックで流れたのが

こちらの映像ですね。

 

 

この映像を観ると

チェンバロも参加していたので

おやおやと思ってCDを聴き直してみたら

確かにチェンバロのパッセージも

確認できました。

 

この音の感じだと

モダン・チェンバロっぽいですけど

どうなんでしょうね。

 

 

無伴奏ヴァイオリン・パルティータ

第2番のシャコンヌは

本来はヴァイオリン・ソロで演奏されますが

ここでは弦楽合奏で演奏されています。

 

あまり聴こえてきませんが

チェンバロも加わっているっぽい。

 

これは、個人的には

特に冒頭、

ちょっと音が分厚い感じのアレンジが

あまり好みではありません。

 

ネマニャは

ソロで演奏したCDを

出しているようなので

(だから今回はアレンジを変えたらしい)

そちらを探して

聴いてみようかなと思ったり。

 

YouTube には仲間のアンサンブル

〈悪魔のトリル〉とのライブステージが

アップされていました。

 

 

フランス語のMCが

チンプンカンプンなのはともかく

途中で映像が切れていて

完奏でないなのが残念ですけど

合奏版なら

こちらの方が好みです。

 

 

なお、同じく

ヴァイオリン・パルティータによる

本盤のガヴォットは

実にキュートな演奏でした。

 

実に正統的な演奏のように聴こえる

(PVもおとなしめな)

管弦楽組曲 第3番のエアともども

エッジが利いた演奏の合間の

息継ぎにもなっているように

感じられます。

 

 

ちょっと珍しいのは

前世紀初頭のフランスのヴィオラ奏者

アンリ・カサドシュが

ヨハン・クリストフ・バッハの

失われていた作品を発掘したといって

実は自ら作曲した

ヴィオラ協奏曲でしょう。

 

ヴィオラはネマニャが弾いています。

 

こんな曲があることを

今回、初めて知りましたけど

割と有名な曲なようで

ロストロポーヴィチが

チェロで演奏したヴァージョンも

あるのだとか。

 

古典派直前の

ポスト・バロック的な要素は

第1楽章ぐらいで

あとは古典派やロマン派の様式に

なってしまっているとのことですが

詳しいことはよく分かりません。f^_^;

 

ですけど

そういう音楽学的な知識は措いても

確かに良い曲だと思います。

 

 

自分は基本的に

チェンバロ曲が好きなのですが

エッジの利いたヴァイオリン曲も

嫌いなわけではありません。

 

ネマニャは

ヴィヴァルディの『四季』のCDも

出しているようですが

そちらはどんな演奏なのか

聴きたくなってきました。(^_^)

 

 

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