(OMF: KCD-2035、2012.1.27)
制作・販売のOMFは
ジャケ裏にある
KOSSACK というのは
OMFの録音部門のようですね。
本盤は、先に紹介済みの
『ヴィンサント』と同じく
立川のディスクユニオンで見つけて
一緒に購入しました。
チェンバロとバロック・ハープで
西山まりえが参加しているのを見て
つい手が伸びちゃった次第。
声楽系のクラシックCDを買うのは
かなり久しぶりです。
以前は、皆川達夫の
『ルネサンス・バロック名曲名盤100』に
(音楽之友社 ON BOOKS、1992.2.10)
載っているものを
よく買っていたものですけど。
本盤では
「アマリリ、私の美しいひと」
というタイトルになっている
カッチーニの「アマリリうるわし」は
バロック時代の劈頭を飾る曲として
上の本で紹介されています。
ちなみに
20世紀ロシアのリュート奏者で
ソビエト時代の古楽復興の立役者
ヴァヴィロフという人が作曲して
カッチーニ作として人口に膾炙した
「アヴェ・マリア」という曲も
入ってます。
こちらは本田美奈子が
歌っているようなので
ご存知の方も
いらっしゃるかもしれません。
そのカッチーニや
フレスコバルディ、
モンテヴェルディといった
バロック聴きに知名度のある作曲家の他
タルクイーニオ・メルーラ、
ジョヴァンニ・フェリーチェ・サンチェスなど
初めて名前を聞く作曲家も少々。
中でも
パッサカリアのカンタータと名づけられた
サンチェスの「暴虐な簒奪者」は
聴いていると
マユリの悲劇を語る映像で流れる
サントラを彷彿させるようなノリに
びっくりでした。
西山まりえの演奏もさることながら
コルネットとリコーダーで参加している
濱田芳通の即興的な演奏が印象的で
全体的に器楽演奏がすばらしい。
カウンターテナー・ファンには
申し訳ないんですけど
特に通奏低音がすばらしいと
思っちゃいました。
2011年の東日本大震災が起きた翌週
信州国際音楽村で行なわれたステージ後、
震災後のショックで
演奏できないと思っていたところが
逆に演奏で心が癒された、
そのときに抱いた想いのままに
信州で録音されたという経緯が
ライナーに書かれています。
某CDショップの
ステッカーを思わせる
No Early Music, No Life?
というタイトルは
上に書いたような経緯から
抱かれた想いによるものでしょうか。