先週は
スーパーヒーロータイムや
『キラキラ プリキュア アラモード』が
ゴルフ中継のためにお休み。
『題名のない音楽会』は
放送されましたが
観ないで
朝寝を楽しませてもらいました。(^^ゞ
だから
今週のプログラムが何か
まったく把握しておらず
プリキュアが終わった後
本日の『題名のない音楽会』が
「バッハの謎を知る休日」と題して
鈴木優人と
バッハ・コレギウム・ジャパンの面々が
ゲストだと知り
びっくりした次第です。
日曜の朝に古楽演奏を聴ける幸せ。(⌒▽⌒)
ゲストは上記の他に
音楽家の湯山昭を父に持つ
「無類の音楽通」の
著述家の湯山玲子という人でした。
まずは
鈴木優人がチェンバロで
2声のインベンションの第1番を演奏。
演奏のすばらしさは
もちろんですけど
楽譜を
楽譜立てに載せるのではなく
チェンバロのボディに
平置きしていたのが
印象的でした。
そのあと
バッハの肖像画にも描かれている
6声部の3重カノン BWV 1076
(6声の謎カノンともいわれます)を
レクチャーコンサート風に紹介。
3段ある楽譜に書かれている旋律を
1段ずつ弾いていき
その際に演奏に合わせて
テロップの用にして出た楽譜の
音符の該当部分にライン光があたる
というのがありがたい。
3段をそれぞれ弾いてから重奏し
それから
6声の3重カノンという
楽譜に記されたタイトルの
謎ときがされていきました。
6声のための、ということは
6つのパートがあるはずなのに
楽譜には3つのパートしかない。
他の3声は
楽譜に記された各パートを
上下に反転させて
得る必要があるのでした。
番組では
反転したメロディーを
ソロで演奏したあと
基のメロディーとの重奏を
各パートごとに披露して
最後に全体が演奏されました。
めったに演奏されることもなく
録音されたものも
買って聴いた記憶がないので
これは観られて嬉しかった!
各パートを上下に反転させる
ということに気づいた理由や
きっかけは何なのか
というこは解説されじまい。
それが説明されると
もっと嬉しかったんですけどね。
反転させるというのは
『音楽の捧げもの』で
試みられてますから
そうした技法を援用して
解決に至ったものと思われます。
なお、手許にある
角倉一朗監修『バッハ事典』によれば
(音楽之友社、1993.6.1)
バッハ没後100年に書かれたバッハ伝の著者
カール・ルートヴィヒ・ヒルゲンフェルトが
解明したのだそうです。
ヒルゲンフェルトの解決が
今回、放送で示された解決と
同じかどうかは分かりませんけど。
ところで、やはり手許にある
磯山雅・小林義武・鳴海史生監修の
『バッハ事典』には
(東京書籍、1996.10.24)
フリードリヒ・スメント
という研究者によれば
という註釈付きで
音価を伸ばしたり
声部を入れ替えたりすれば
480通りの解決法があり得る
と紹介されています。
番組では最後に
鈴木優人の編曲になる
『音楽の捧げもの』に収録されている
6声のリチェルカーレが
鈴木と
バッハ・コレギウム・ジャパンの面々で
演奏されました。
6声のリチェルカーレは
版行されたオリジナルの楽譜に
楽器の指定がなく
チェンバロ独奏で演奏されることが
多いのですけど
オーケストラや室内管弦楽用に編曲されて
演奏されることもあります。
以前こちらでは
神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団による
ヴィオラ・ダ・ガンバ6重奏版を収録した
CDを紹介したことがあります。
今回は室内管弦楽版というわけで
ヴァイオリン・若松夏美
ヴィオラ・深沢美奈
チェロ・山本徹
フルート・鶴田洋子
オーボエ・三宮正満
チェンバロ・鈴木優人による
豪華6重奏版でした。
鈴木優人はこれを
バッハの最高傑作だと言っている
とナレーションで紹介されてましたが
僭越ながら自分もそう思います。
この曲を含む『音楽の捧げもの』は
自分が古楽演奏にハマったころ
最初に聴いたものの1枚でした。
それについては以前
こちらのブログでも書きましたが
初めてグスタフ・レオンハルトの
チェンバロ独奏を聴いた時は
身震いするほどでした。
大袈裟にいえば
それが、今に至るまでの
古楽ファンとなった原点でして
その意味でも
『音楽の捧げもの』とその収録曲には
特別な思い入れがあります。
それが日曜朝に
テレビで聴けるなんて
なんてラッキーなんでしょう。(⌒▽⌒)
ちなみに『題名のない音楽会』では
以前にもバッハの特集が組まれ
こちらのブログでも感想を書きました。
その当時の司会は
ヴァイオリニストの五嶋龍でしたが
その後(今年の4月2日から)
ミュージカル俳優の石丸幹二に
変わっています。
アシスタントは松尾由美子が続投。
いつかまた
古楽特集があることを
期待したいものですが
そのときもこの布陣での放送に
なるんでしょうかね。