『フランス・ギャル・ベストセレクション』(2009)
(ユニバーサルミュージック UICY-80020、2009.5.6)

「定番ベストセレクション」シリーズの1枚。

以前の記事にも書いた通り
フランス・ギャル自身が日本語で歌う
「夢みるシャンソン人形」が聴きたくて
購入しました。

すでにベスト盤を買っていたので
Amazon で検索して
いちばん安いものを選んだのですけど
以前のベスト盤より
10曲多く入っているだけでなく
その内、前のアルバムとのダブりが
全28曲中の半分だったため
曲数的には、ほぼ同等。

だから前のベスト盤も
無駄な買いものではなかった
ということは
前にも書いた通りです。


無署名の日本語解説には
〈1963年に
「はじめてのバカンス」でデビュー。
この曲のヒットによって順調なスタートを切り、
「恋のお返し」、「リボンと花」、
「シャルマーニュ大王」などのヒット曲を
次々と発表しました〉
と書いてあります。

日本語版 Wikipedia の項目でも
フランス語版 Wikipedia の項目でも
デビュー曲は「恋のお返し」Ne sois pas si bête
となってますし
「恋のお返し」を含む4曲入りのEP盤にも
「はじめてのバカンス」
Mes premières vraies vacances
は収録されていません。

以前の記事に書いたEP盤リストを
確認していただければ分かる通り
「はじめてのバカンス」は3枚目の
(同内容・別ジャケを入れれば4枚目の)
EP盤に収められています。

レコードになったのは3枚目だけど
ステージないしテレビやラジオで
最初に歌われたのが
「はじめてのバカンス」
ということなのか……。
 
……とか考えたりもしたんですが
以前の記事で紹介したベスト盤の
永田文夫の解説を見直してみると
そこでもデビュー盤は
「初めてのバカンス」となってますので
(今、気づきました f^_^; )
おそらくこの記事の内容をそのまま
確認せずに流用したのでしょう。( ̄▽ ̄)


本盤のライナーにおける
上記の引用部分に
〈「恋のお返し」、「リボンと花」、
「シャルマーニュ大王」などのヒット曲を
次々と発表〉とありますけど
それにもかかわらず
「恋のお返し」も「リボンと花」も
収録されていないというのが
何とも不思議に思ったことでした。
 
ベストセレクションを謳っているのにねえ。

上の2曲、
前に買ったベスト盤に入っていますので
自分的には問題ないにしても
本盤のみを買った人は
欲求不満に陥りそうな気がします。


各楽曲についての短い解説は
日本でのリリース年が書いてあっても
フランスでのリリース年がなかったり
その逆に
フランスでのリリース年があっても
日本でのリリース年がなかったり
その結果
どちらの国でのリリース年なのか
分かりにくくなっていたりして
ディスコグラフィや書誌が気になる
自分のような人間から見ると
いいかげんだなあ
と思わずにはいられませんでした。

日本でのリリース年に
ふれるだけにしてくれてれば
まだしも
統一が取れていたんですけどね。

純粋に音楽を楽しむ人は
そんなこと気にしないんだ
といわれれば
それまでですが( ´(ェ)`)


日本語バージョンの楽曲は
「すてきな王子様」
(1966.8/安井かずみ訳詞)と
「夢みるシャンソン人形」
(1965.9/岩谷時子訳詞)が
収録されています。

「すてきな王子様」は
日本語が比較的自然で
聴きごたえがありますけど
「夢みるシャンソン人形」は
「人形」を
「にんぎ・よー」と歌っていて
かなり違和感がありました。

当時の日本側のスタッフが
ローマ字か何かに起こしたのを
そのまま歌っているんだと思いますけど
フランス語の発音では
y が i になることと
関係があるんでしょうか。

そういう「訛り」自体が
セールス・ポイントになる
と思ったのかもしれず
聴く人によっては
可愛いと思うのかもしれません。
 

なお、ライナーには
「すてきな王子様」のB面が
「私の恋は」だと
書かれていますけど
それも日本語バージョンなのかどうか
までは書いてありません。

調べたところ
フランス語のままでした。

また
「夢みるシャンソン人形」のB面が
何だったのかということは
一言もふれられていません。

これまた調べたところ
クロード・フランソワによる
「ドナ・ドナ」の日本語バージョンで
訳詞は安井かずみでした。


ところで
日本語版 Wikipedia の
クロード・フランソワの項目を見ていたら
「1967年にフランス・ギャルとの仲が
破局したのち」と
しれっと書いてあって
びっくり。

だから日本のレコードで
カップリングになったのか
と思いつつも
ほんとかなと思って
フランス語版 Wikipedia の
クロード・フランソワの項目に飛び
確認してみたら
そちらにも書いてありました。

ただ、そちらには
[réf. nécessaire]
すなわち [要出典] と
注記されているのに
日本語版の方に何の注記もありません。

これって、どうかと思いますなあ。

それとも
日本語版の方であげられている
参考文献の中に
書かれているんでしょうかね。


なお、ちなみに
本盤のタスキ(オビ)は
フロント全面を覆うタイプで
 
『フランス・ギャル・ベストセレクション』ジャケ表
 
バックは
従来のタスキ仕様になってます。
 
『フランス・ギャル・ベストセレクション』ジャケ裏
 
こういうのは保存が面倒なんだよなあ
ぶつぶつ…… ┐(´∀`)┌ヤレヤレ
 
 
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