『フランス・ギャル・ベスト』(1997)
(フィリップス PHCR-12537、1997.9.26)

レーベルはフィリップスですけど
発売はマーキュリー・
ミュージックエンタテインメントで
販売はポリグラムです。

先日、仕事で秋葉原に行った際
帰りにのぞいたBOOK・OFFで
見つけました。

ジューシィ・フルーツのアルバム
『27分の恋』(1982)に入っている
「夢見るシェルター人形」の原曲
「夢見るシャンソン人形」(1965)が
入っていて
値段もお手頃だったし
やっぱりオリジナルも聴いとかなくちゃ
と思って購入した次第です。

ちなみに本盤では
「夢見る」ではなく
「夢みる」表記です。


本盤には
1963年から1967年までの間に
フィリップスで録音された曲から
18曲がセレクトされています。

1963年10月9日が
満16歳の誕生日だそうですから
16歳から19歳(20歳?)までの間に
リリースされた楽曲
いわばアイドル時代の曲が
収められているわけです。

もっとも
リリース順に収録されてないので
本人の進歩成長の過程や
文化流行の変遷の過程が
見えにくくなっているのが難。

1989年に出たらしき原盤自体が
そういう構成なので
しょうがないといえば
しょうがないのですけれど。


インナー・ジャケット(ライナー)の
ラスト・ページには
フランスでリリースされた
EP盤のジャケ写が載っています。
(全部ではありませんけど)

EP盤というのは
4曲入りのシングルレコードで
今でいうマキシ・シングルにあたります。

通常のシングルが
45回転だったのに対し
33と1/3回転でした
……というのは
最近知ったのですけど。(^^ゞ

フランス・ギャルの
本国でのデビュー盤は
「恋のお返し」だとする資料が
多いようですけど
同曲をA面とする2曲入りシングル
というわけではなく
同曲に「恋のサバ・サバ娘」
「審判のテーマ」
「パンス・ア・モア」の3曲を加えた
4曲入りEP盤だったようです。

下がインナージャケの
最終ページの写真で
上段左が
上でもふれたデビュー盤になります。

『フランス・ギャル・ベスト』(1997)ライナー裏

ついでですから
写真の細かい文字を
舐めるようにして見つつ
いろいろと検索して調べた
各EP盤の収録曲をあげておきます。

●上段左から
01.*恋のお返し/恋のサバ・サバ娘
/審判のテーマ/*パンス・ア・モア(1963)
02.*アイドルばかり聞かないで/*お友達に云わないで
/*リボンと花/もし男の子なら(1964)
03.同上。別ジャケ?
04.ギターとバンジョーと鐘/*ジャズ・ア・ゴーゴー
/はじめてのバカンス/恋はおとなしく(1964)

●中段左から
01.*娘たちにかまわないで/悲しき初恋
/*クリスチャンセン/恋の忠告(1964)
02.*シャルマーニュ大王/月の光に
/ヌヌルス/ボン・ニュイ おやすみなさい(1964)
03.*夢みるシャンソン人形/すてきな王子様
/キャプテンに言って/*ジャズる心(1965)
04.*涙のシャンソン日記/夢の旅路
/バラ色のキッス/二羽の鳥(1965)

●下段左から
01.*アメリカ万歳/恋はふしぎ
/*天使のためいき/恋の家路[新学期](1965)
02.*ベイビー・ポップ/乙女のためいき
/想い出のうた/私の恋は(1966)
03.*アニーとボンボン/一緒にいると
/わたしは幸せ/Je me marie en blanc(1966)
04.*ティニー・ウィニー・ボッピー/あなたに贈る歌
/*おしゃまな初恋/メイド・イン・フランス(1967)

題名の前に
「*」が付いている曲は
本盤収録曲です。
 

Je me marie en blanc のみ
邦題の調べがつきませんでした。

直訳すれば
「わたしは白い服を着て結婚する」
となるでしょうか。

「何も持たずに(身ひとつで)」
あるいは「無垢なままで」結婚する
とも意訳できそうですが
歌詞全体を見てみないと
何とも判断できませんね。


往年の邦題には
「恋のサバ・サバ娘」とか
「ジャズる心」など
ぶっとんだものもあって
面白いですね。

それぞれ原題は
Ca va je t'aime(c はセディーユ付き文字)
Le cœur qui jazze です。

Ca va je t'aime は
「そうよ、あなたを愛してる」
という意味でしょう。

Le cœur qui jazze の邦題は
驚くなかれ
直訳といってもいいくらい
かなり正確な訳です。


本盤は
1993年に出た日本流通盤の
再発盤のようで
ライナーの解説末尾に
1993年のものを流用した
という注記があります。

その解説の執筆者は
永田文夫という人で
Wikipedia にも項目が立っていますが
「アイドル——とは言っても、
フランス・ギャルは、
どこかの国に見られるような、
使い捨ての少女タレントとは
本質的に異なり、
ゆたかな素質に恵まれ、
充分な実力を身につけた
アーティストです」
と書いているのには
ちょっと引っかかりました。

洋楽を上位に見て
邦楽を見下すといった類いの
洋高邦低な音楽観には
ちょっとウンザリさせられますね。


楽曲解説では
「夢みるシャンソン人形」の
原題の意味が
「ろうの人形、音の人形」
だと書かれていますけど
今日では
「ろう人形、詰め物人形」
だということに
なっているようです。

これについては
Wikipedia の
「夢見るシャンソン人形」の項目に
詳しく書かれていますので
興味のある方は参照ください。

歌詞対訳では
「ヌカで作った人形」と
なっていますが
これは再盤時に修正したのかな?


ちなみに
上記 Wikipedia の項目にも
書かれていますけど
岩谷時子が付けた日本語の歌詞を
フランス・ギャル自身が
日本語で歌った録音があります。

そのことを知り
さっそく Amazon で検索して
購入しました。

そんなのがあるのを知っていたら
最初から Amazon で
そのベスト盤を買ってたんですけど
収録曲を比べてみたら
そちらに入っていなくて
こちらに入っている曲が
「恋のお返し」「パンス・ア・モア」
「リボンと花」「娘たちにかまわないで」
「ティニー・ウィニー・ボッピー」と
5つもありました。

BOOK・OFFでの
購入価格を考えるなら
ダブってない曲が5つもあれば
充分でしょう。

 
長くなりましたので
Amazon で購入した
ベスト盤については
また改めて。
 
長文深謝。m(_ _ )m
 
 
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