S・フッソング『ゴルトベルク変奏曲』
(墺 THOROFON: CTH 2047、1988)

THOROFON は
オーストリア(墺太利)の
Bella Musica Edition という会社の
レーベルです。


以前
シュテファン・フッソングの
『ゴルトベルク変奏曲』がないかなあ
と思ってタワレコの棚を見てたら
マリンバ版を見つけた
という話をしましたが
その後 Amazon で検索してゲット。

当初「フッソング」で検索しても
見つからなかったのですが
ふと思いついて
「Hussong」で検索したら
引っかかりました。

てっきり日本盤が出ているだろうと
思っていたのですが
こちら、直輸入盤のみのようです。


アコーディオン版の
ゴルトベルク変奏曲は
今でこそ
いろんな奏者による盤が
出ていますけど
フッソングの録音は、たぶん
先駆的な1枚といえるでしょう。

本盤以降の演奏は
本盤を乗り越えることが
求められるわけで
その乗り越えの
レベルを判断する際
本盤を聴いておかないと
分からないわけです。

ですから
一度は聴いておきたい
購入したいと
思っていたのでした。


トータル・タイムが55分ほどなので
ダ・カーポを省略した
短い演奏バージョンになります。

使用楽器は
HOHNER(ホーナー)社の
Einzelton-Akkordeon
と書いてありますけど
Einzelton の意味するところが
よく分からない。

鍵盤数とかメカニズムが
現行のものとは違う
古いアコーディオン
ということでしょうか。


ジャケ裏を見て
不思議に思ったのは
変奏は30あるのに
その幾つかを
ひとつのトラックにまとめ
17のトラックで構成していること。
(最初と最後のアリアを含めれば
19トラックになります)

これ、何か意味があるのかしら
とか思ってみるものの
ライナーにさっと目を通しても
特に言及されていないようで
自分で考えなくちゃいけない。
 
宿題ですね。┐(´∀`)┌ヤレヤレ

こういうとき
輸入盤はつらいなあと思いますが
(もっとも、日本流通盤が出ていても
解説されるとは限りませんけどね)
単に聴くだけなら
まったく問題ありません。


最初に聴いた時は
音の響きが弱いかなあ、とか
録音があまり良くないかなあ
とか思ったのですが
昼間にボリュームを上げて聴くと
響きの弱さは気にならなくなりました。

もっとも
「アリア」の演奏はまだ、
やや弱いかな、という感じが
残りますけど。
(よくいえば「繊細」)

これはピアノ演奏などでも
演奏者によっては
ときたま感じることですけどね。


なお、本盤には
バッハ以外に
スウェーリンク(スヴェーリンクとも)
という
バッハ以前の作曲家による
「ファンタジア b-a-c-h ニ短調(エオリアン)」
という曲が
トラック1に収録されています。

エオリアンというのは、
どういうものか説明できるほど
よく分かっていませんので
Wikipedia の説明を読んでも
チンプンカンプンなのでw)
旋法(モード)のひとつだと
記しておくにとどめます。

「b-a-c-h」というのは
ドイツ語だと「小川」という意味で
音階に当てはめると
「シ♭-ラ-ド-シ♯」となります。

つまり
そういう音階のモチーフを使った
即興曲(ファンタジア)
というわけで
バッハとは
直接的な関係はありません。

ただスウェーリンクは
バッハにつながる
北ドイツ・オルガン学派の形成に
大いに与ったそうですので
音楽史的に考えると
まったく無関係とはいえません。

そういうこともあり
「b-a-c-h」モチーフの曲が
たまたまあるので
トップに置いた
というところでしょうか。


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