『レコード・コレクターズ 増刊
アイドル・ソング・ベスト100
1970−1989』
(2015)に掲載されている
「アイドル・ソング100選 1959−1969」に

選ばれた100曲を聴きたくて
CDやらレコードやら集めてきたんですけど
最後の1枚というか1曲になったのが
今回紹介するこちらのレコードでした。

 

久美悦子『アリューシャン小唄』

(テイチクレコード SN-156、1965.1)

 

この曲は各社による競作だったそうで
こまどり姉妹のCDにも
同じ歌詞で入っているのですが
『レコード・コレクターズ増刊』には
こちらが選ばれております。

 

(ちなみに、同書で選ばれた
こまどり姉妹の曲は

「ソーラン渡り鳥」です)

 

久美版のCD音源は
コロムビアから出ている
『お座敷・宴会ソング集』という
CD-BOXに収録されていますが
さすがにこれ1曲のために
高額なBOXを買う余裕はないので
レコードを探して購いました。

 


曲自体は小唄調とでもいうのか
それらしいメロディーで
鰊場の飲み屋(?)でお酌をやっている
女性の視点から
アリューシャン方面へ漁に行く
男への気持ちを歌った唄です。

 

この曲は
職業音楽家による作品ではなく
作者不詳の伝承曲を採譜したもので
もともとの作り手だか歌だかが
あるのかどうかも
分かりません。

 

基になる唄があって
宴会の席などで興が乗ると
歌詞を変えて歌われていたものが
伝承されてきたのかもしれません。

 


B面の「浮草ワルツ」は
古賀政男調のメロディーで
別れた男への想いを歌った唄です。

 

1960年代半ばリリースであることを
踏まえたとしても

(踏まえればなおさら?)
古風な感じは拭えませんけど
当時はこういうのも「流行歌」
今日でいう歌謡曲扱いだったわけで
戦前歌謡の流れとでもいうか

それが途切れずに続いていたことを
強く意識させられます。

 


で、歌っている久美悦子ですが
この人の経歴情報は
Wikipedia にすら載っておらず
ネットで検索しても
微々たることしか分かりません。

 

デビュー盤である『裏町小唄』の

 

『裏町小唄』

(テイチクレコード SN-79、1964.6)

 

4ページ構成の
ジャケットの最終ページに
経歴が載っているくらい。

 

「久美悦子 ご紹介」(『裏町小唄』ジャケ)


テイチク専属で
1960年代に
10枚前後のシングル・レコードを
出していることや
上の経歴に書かれているような
テレビ・ドラマの他
映画にも出ていることが
いろいろ検索してみて

分かりましたけど
それ以外はまったく不明です。


久美が師事したという

作曲家の牧野昭一については
Wikipedia にも
項目があるんですけどねえ。
 


今、簡単に聴けるのは
石原裕次郎とのデュエット
「鴨川艶歌」(1965)
くらいではないでしょうか。

 

YouTube には
「裏町エレジー」とか
「ポンチャチャ節」
「南国哀歌[エレジー]」などが
アップされてますけど
久美版の「アリューシャン小唄」は
なさそうです。

 


こう分からないことが多いと

気になるタチなので
レコードを見かけたら
買うようにしてますが
なかなか見つかりません。

 

せめて検索して

調べがついたレコードぐらい
集められたらなあと
思っておりますが
さて、どうなりますやら。

 


なお、
『アリューシャン小唄』のジャケットは
通常のレコードのように
1枚のペラと紙袋という形ではなくて
通常1枚のペラのライナーが
そのままスリーブの紙袋になっており
レコード盤が直に収められています。

 

こういうレコード・ジャケットも珍しい。

 

デビュー盤は
普通のジャケ構成なのに
なぜこの盤だけ変わっているのか。

 

いろいろと謎の多い歌い手なのでした。

 

 

こういうのをわざわざ選ぶ
『レココレ』の選者も選者だと
思いますけどね。┐(´∀`)┌ヤレヤレ

 

 

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