『Playing & Teaching 02/Scott Ross』

(仏 harmonia mundi:HMD 9909031、2011)

 

前回書いたような理由で
スコット・ロスのレーザーディスクを求めて
時たま思い出したように
検索をかけていた頃
「スコット・ロス礼讃」
というファン・サイトを見つけました。

 

そこで紹介されていたのが
スコット・ロスのレッスン風景と
彼へのインタビューで構成された
今回のDVDです。

 

さっそく Amazon で検索して
在庫を確認し、買ったことは
いうまでもありません。

 


ロスが亡くなった
1989年に制作されたようですが
そんなことは微塵も感じさせない映像です。

 

Playing & Teaching シリーズの
2巻目ということもあり
レッスン風景と
インタビューが中心となります。

 

バッハやクープランを
教え子が演奏しているのを聴いて
ここはこう、というふうに
自分で例を示す
という演奏ばかりなのでした。

 

だから1曲通してではなく
フレーズ演奏にとどまっています。

 


ロスがフルで演奏するのは
ジャン=フィリップ・ラモーの
「ヴェジネ」だけなんですが
これがまた実にいいんだなあ。

 

買ってすぐに観たときは

さほど感銘を受けなかったんですが

その後
ラモーに関心を持って
いろんなCDを集めたこともあり
今回、観直すと
意外と楽しめました。

 

原曲の性格にもよるのかもしれませんけど
チャーミングかつユーモラスな演奏でして
(特に最後の一音を鳴らすところで
ユーモアを感じました)
 

 

ラモーの演奏では

手の交差も見られます。

 

ファンダンゴの演奏のような
ダイナミズムは感じられませんけど
鍵盤の高音部ギリギリのところで

窮屈そうに見えて

軽々と交差させている映像が

実にチャーミングな感じ。

 

女子流にいえば

カワイイ!

といったところでしょうか。(⌒▽⌒)

 


輸入盤ですが

リージョン・フリーなので

映像を観るだけなら

普通に観られます。

 

スコット・ロスは

フランスに在住していたので

映像内の言語はフランス語です。

 

出てくるお弟子さんの一人は

イタリア人なのか

イタリア語での会話も出てきます。

 

でも、英語の字幕が出るだけで
日本語には対応していません。

 

それがネックといえば
ネックなんですが
実をいえば、上記のサイト
「スコット・ロス礼讃」内の
こちら↓のページに

 

http://www.geocities.jp/scottross_fan/lesson.html

 

字幕が全文翻訳されて
アップされています。

 

ここまでやる情熱は

脱帽ものです。

 


途中、グールドの演奏に
言及する場面があり
かなり辛辣な意見を述べていて

興味深いですね。

 

英語字幕で観てても
あ、キツいこといってる
というのが分かる(笑)

 

お弟子さんに対して
たとえばグールドは
こんなふうに弾いてるけど
と言って
ワンフレーズ
弾いてみせるところは
グールドの演奏を知っていると

笑いを誘われること請け合いです。

 


上にも書いたように

最初に購入したときは
フルの演奏がラモーだけなので
なんだかなあという感じでした。
 

今回、観直してみると

グールドに関するくだりや

ロスが自身のバロック音楽観を
詳しく語っているところなど
いろいろと注目されるところがあって

ちょっと面白いじゃん、というふうに

印象がガラリと変わったのには

我ながら驚かされたというか

呆れた次第です。f^_^;

 

 

『ファンダンゴ/スコット・ロス』が

ひたすら演奏するだけで

何も喋らないこともあって

動いて話すロスを観られるのは

貴重だというのも

印象がプラスに変わったことに

与っているのかもしれません。

 

あと

『ファンダンゴ/スコット・ロス』に比べると

映像がクリアで綺麗なので

それも印象が変わった要因のひとつかも。

 


ところで
まだ買えるかなと思って
Amazon で検索してみたら
いつのまにか、ものすごい値段がついてて
びっくりしました。

 

いったい何があったんでしょう。

 

さすがに4ケタ代になると
おススメするのも
ためらわれます。

 

買っといてよかった〜( ̄▽ ̄)
とつくづく思った次第。

 


ちなみに、前回の記事では
『200CD 古楽への招待』を読んでから
ロスのLDを探し始め
石丸電機で見かけたような
書きっぷりでしたけど
記事をアップ後

つらつらと考えているうちに

むしろ逆で
石丸電機で見かけてスルーしたあと
『古楽への招待』で取り上げられてて
しまったー! 買っとけば良かったー!!
という後悔先に立たずの経験をして以来
延々意識してたというのが
正しい経緯のような気がしてきました。

 

いつでも買えるだろうと思ってスルーして

欲しくなってから探し始めると

まったく見つからない

というのも

よくあるパターンです。

 

それにしても

上の経緯が正しいのだとしたら
20年間、思い続けてきたわけで
まさに、虚仮(こけ)の一念
といったところですね。┐(´∀`)┌

 

 

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