御喜美江『アコーディオン・バッハ』アイオロス盤

(AEOLUS: ACCD--S117、1997.2)

 

先日の

朗読一座 まほろばVOICE

第5回公演の帰りに
御茶ノ水のディスクユニオン
クラシック館に寄った際
見つけました。

 


御喜美江(みき・みえ)という
アコーディオン奏者が
バッハを演奏しているCDを

出していることは
何となく知っていましたけど
新譜でも中古でも見かけず
懸案のまま
ずーっと放置しておいたのでした。

 

アコーディオンでバッハといえば
ドイツのアコーディオン奏者
シュテファン・フッソングが
知られているかと思いますけど
御喜美江はフッソングより早く
この分野でのオーソリティーというか
第一人者としての地位を

築いていたのでした。

 


収録曲は
フランス組曲から第5番と第6番
フランス風序曲(ロ短調パルティータ)
そして
アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳から
有名なメヌエットを含む6曲。

 

フランス・テイストの作品集
というコンセプトでしょうかね。

 

第1曲目の
フランス組曲 第5番のアルマンドから
哀愁あふれる独特の雰囲気が漂います。

 

なんだか

パリの下町で流れる
手回しオルガンのよう

あるいは

そういう一場面を撮った

映画のシーンのよう

とでもいましょうか。

 

アコーディオンは

チェンバロやピアノと違い
音価を長く引き延ばせますし
それによって旋律に独特の揺らぎも生まれ
それが哀愁あふれるムードの醸成に
与っているのだと思います。

 

また、何よりも
ポリフォニックな曲や
スピードの速い曲を弾きこなす
超絶テクニックに圧倒されますね。

 

フランス組曲 第6番の

クーラントの速さには
圧倒されること請け合いです。

 


使用楽器は
クラシック・アコーディオン
となっていますけど
詳しい情報は
どこにも記されていません。

 

ジャケットの写真から
HOHNER(ホーナー)社製の
ボタン・アコーディオンであることが
分かるくらい。

 


これはいい買いものをした
と思っていたんですが
聴いたあと

いろいろと検索していたら
今年の3月にナクソス・ジャパンから
リマスタリングの上で
再発売されてました。

 

 

ぜんぜん知らなかった……

 

なるほど、それで
中古で安くなったのか
と腑に落ちたことでした。

 

元盤のライナーには
御喜美江による
「サンテミリオンの夕暮れ」
という文章が載っていますが
ナクソス盤にも
再録されているのかしらん。

 


いずれにせよ
遅まきながら、これはおすすめ。

 

夕暮れ時に聴くと
グッときますよ。(^_^)

 

 

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