最近の
朝のひと時にかける
お気に入りは、こちら。
冬期講習の帰りに寄った
横浜のディスクユニオンで購入。
見つけたときは未開封品でした。
GEKKO(月光)というのは
インディーズ・レーベルで
私家盤ということもあってか
発行年月日が
どこにも記されていません。
上記の発行年月日は
Amazon の商品ページに拠りました。
ヴィオラ・ダ・ガンバは
ヴァイオリン属より
やや古い歴史を持つ
ヴィオール属の古楽器で
外見はチェロに似ています。
両脚の間に挟んで演奏する
ピンのないチェロ
と思っていただけると
イメージしやすいかと思います。
映画『アンナ・マクダレーナ・
バッハの年代記』(1968)冒頭
ブランデンブルグ協奏曲 第5番の演奏で
先ごろ(今年の3月)亡くなった指揮者
ニコラウス・アーノンクールが弾いているのが
ヴィオラ・ダ・ガンバです。
アーノンクールは
1971年に収録している
ブランデンブルグ協奏曲 第6番でも
自らヴィオラ・ダ・ガンバを弾いており
この楽器の奏者として知られていました。
また、バロック期のフランスが舞台の
映画『めぐり逢う朝』(1991)は
ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者であり
同楽器の作曲家としても有名だった
サント=コロンブを取り上げています。
どちらの映画についても
以前、こちらで紹介しましたので
リンクを張っておきましたが
古楽ファンなら必見でっせ。
閑話休題。
イギリスに
フレットワークという
ヴィオール属の楽器だけの
ガンバ・コンソート(器楽アンサンブル)が
ありますけど
神戸愉樹美(かんべ・みゆき)
ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団は
その日本版といったところでしょうか。
ヴァイオリンのように
高音でキンキンと響く楽器ではなく
チェロに近いので
ということはつまり
人(男性)の声に近いので
コラールという
バッハの時代の
プロテスタント教会における
讃美歌にあたる合唱曲
ないし
そのメロディーラインを使った器楽曲を
演奏するときは
えもいわれぬ響きで迫ってきます。
グノーのアレンジでも知られる
平均率クラヴィーア曲集 第1巻冒頭の
プレリュードは
これだけ
ピチカート奏法で演奏されています。
違和感を覚える向きも
ありそうですが
ちょっとしたアクセントになっていて
これはこれで、いいのかも。
個人的には
『フーガの技法』から3曲
そして
『音楽の捧げもの』冒頭の
6声のリチュルカーレが
演奏されているのも
嬉しい限り。
『フーガの技法』も
『音楽の捧げもの』のリチェルカーレ
(この場合はフーガ)も
チェンバロだと
エッジの利いた曲ですが
ヴィオラ・ダ・ガンバだと
耳に心地よい
やさしい感じになりますね。
全体的に
ゆっくりめの演奏ですが
それがかえって優雅な感じ。
自分はどちらかといえば
スピーディーな演奏が好みですが
朝のひと時
というシチュエーションには
ぴったりですね。
タスキ(オビ)には
直木賞作家・篠田節子の
惹句が載っています。
この惹句が目にとまり
「おやっ」と思い
買ったようなところもありまして。(^^ゞ
これはライナーに寄せられた文章
「闇に描く光跡 — バッハ・音のリボン」
からの引用というか抜萃で
同時掲載の英訳された文章の方では
「直木賞作家」という肩書が
winner of the Naoki Prize for fiction
というふうに訳されてます。
これを見たとき
英語圏の人に直木賞って
通じるのか知らん
と思ってしまったことでした。
どうでもいいことなんですけどね。(^^ゞ
今日も今日とて
このCDを聴きながら朝食を済ませ
朗読の公演に行ってきたのですが
その感想についてはまた
記事を改めてということに。
ただ今、明日〆切の答案を
採点中につき……φ(.. ;)