
(アトリエサード発行、書苑新社・発行、2016.9.1)
副題「存在しない書物を求めて」
イラストレーターとして活躍中の
北見隆による
「ブックアート」を集めた作品集です。
ここでいう「ブックアート」とは
あとがきによれば
古書や不用になった本を素材にした
「本としての機能は持たず、
表面上は本の形をした半立体作品」
とのことです。
ですから中には
本の表紙をくりぬいて
作られたものもあります。((>д<)) キャーーーッ
ただ、
ギャラリーなどで鑑賞すれば
半立体なのは一目瞭然なのでしょうが
こうして印刷された写真で観ると
半立体かどうか分からないものもあり
また、書物をどう「切り刻んだ」か
判然としない場合が多く
その意味では今ひとつ
隔靴掻痒感が残りました。
第1章は「本の国のアリス」と題し
『不思議の国のアリス』を題材とした作品が
まとめられています。
第2章では「博物誌」と題して
ハーピーや人魚などの幻獣や
幻獣にまつわる場面を題材とした作品が
まとめられています。
当方はもちろん
アリスが目的で買ったのですが
第2章の方に
エグイという意味で
印象的に残る作品がありました。
(たとえば「人形茸」とか)
あと、絵のタッチから
レメディオス・バロを
連想させられもしました。
今まで
北見隆が装幀した本を見ても
そんなことは
思いもしなかったんですけどね。
オビに
津原泰水による推薦文を収録
と書いてありますけど
推薦文というより
ショートショートのような感じです。
自分に知識が乏しいため
そう感じてしまうだけかも知れませんが。
カバーを外すとこんな感じ。

裏表紙側は
この絵を反転させたものです。
ギャラリーに置いてある
パンフのような本なので
かなり読者を選びそうですね。
自分も
アリス絡みでなければ
購入しなかったと思います。
見事に釣られているわけでして。f^_^;
