本日、17:05から
NHK 総合で放送された
『サンダーバード ARE GO』
第20話「伝説の金庫破り」
ライブで観ました。

久しぶりの新作の放映ですが
相変わらずプロットが見事でした。

以下、内容にふれます。
未見の方はご注意ください。




大学にある
格納フィールド内の反物質が
暴走を始め
格納庫内で作業にあたっていた
アリス・ラングレー教授が
閉じ込められてしまいます。

格納フィールドに入るには
セキュリティー・システムを
破らねばなりません。

そこで
世界防衛軍から要請を受けて
パーカーが
強化ティリリウムでできた
二重構造の格納庫を
破ることになります。

ケーシー大佐によれば
パーカーはかつて
同じシステムの金庫を
破ったことがある
唯一の人間なのだとか。

ただ、
パーカーが破ったためでしょうか
かつてのシステムは
改善されており
格納庫を開けることはできても
閉じることはできず
開けたままだと
暴走した反物質の爆発で
周囲に多大な被害を及ぼすことが
予想される
というところで
インターナショナル・レスキューに
出動要請がなされる
というお話です。


ここまでの展開は
まあ、よくある話と
いえなくもなんですけど
インターナショナル・レスキューに
出動要請がなされるまで
放映時間の
半分近くを使っているのがすごい。

しかも最初は
世界防衛軍のケーシー大佐が
全体の指揮をとるという展開で
後半も
指揮は大佐のまま
パーカーのセキュリティー・システム破りと
スコットとバージルのレスキューとを
同時並行的に描いていました。

こうした構成によって
救助活動に
広がりと奥行きが
感じられるように思います。

それだけでなく
一方の救助活動が
もう一方の救助活動に影響を及ぼして
格納庫脱出の困難さを増すというふうに
畳み掛けるように難易度が増していく
という展開には
脱帽でした。


パーカーのセキュリティー破りは
格納庫を外部から開いて
閉じ込められたあとは内部から開く
というふうに
金庫破りと脱獄という
二つのアイデアを盛り込んでいるだけでなく
いずれも最新のテクノロジーを使わず
いわばローテクを駆使することで
解決していくのが
すばらしい。

特に感心したのが
指紋認証システムの破り方です。

外側からの破り方と
内側からの破り方の
二種類が描かれますが
詳しいことは書きませんけど
両方ともアイデアが秀逸でした。

可能かどうかは
微妙かも知れませんが(苦笑)
少なくとも
可能だと納得させるリアリティは
確保されていたと思います。


パーカーとペネロープの活躍編
というのも
ペネロープ・ファンとしては
嬉しいところでした。

ハイテク金庫の製造者は
金庫破りがハイテクを使うことを
想定して製造しているが
昔ながらの
蹴ったり叩いたりという方法は
想定外だという
パーカーの講釈のあと
ペネロープが見事なキックを決め
扉が開くという流れに
そのユーモラスなところも含めて
惚れ惚れさせられました。


パーカーが昔の経歴を
噂であるとか
そう言われているとか言って
ごまかす可笑しさに始まり
今回はユーモア描写もてんこ盛り。

世界防衛軍が
パーカーのラッキー・キット
(金庫破りの道具)を取りに
ペネロープの屋敷に向かい
飼い犬に遭遇するシーンなどで
笑いを誘うあたりも
芸が細かい。


爆発の被害を防ぐために
インターナショナル・レスキューは
格納庫ごと廃鉱に捨てる
という方法を思いつきます。

こういうのを思いつく役回りは
ブレインズかと思ってましたが
今回はブレインズは登場せず
バージルが発案者になってました。

格納庫を廃鉱に落とす際
反物質の影響による化学反応によって
極性が変わり
吊り下げているマグネットが外れる
という展開でしたが
最後の最後まで
あり得るリスクを
ドラマに盛り込むセンスというか
面白くしようという貪欲さには
脱帽という他ありません。

何より
「極性が変わる」という
子ども向けとは思えないアイデアに
シビれました。(^^ゞ


とにかく今回のエピソード、
短い尺の中に
よくもまあ
これだけのアイデアを
詰め込んだものと
感服させられること請け合いです。

原題は、
英語版の Wikipedia によれば
The Hexpert だとか。

エキスパートの頭に
「H」が付いてますが
そんな単語は
辞書に載っておりません。

ただ、手許の辞書によれば
hex には「6」という意味が
あるそうですから
おそらく
hex と expert を掛け合わせた
造語だと思います。

何が「6つ」なのかといえば
数えようはいろいろあって
微妙ですけど
パーカーがシステム破りに使った
道具あたりでしょうか。

それとも破る手段の方かしらん。


で、日本には
「七つ道具」という
決まり文句がありますので
造語であることを活かすなら
「パーカーの七つ道具」
とでも訳すと
それらしくなったかも。

まあ、造語だという解釈が
正しければの話ですけどね。( ̄▽ ̄)


エンディング・テロップには
出ませんでしたけど
公式ホームページによれば
次回放送は8月6日、
1週間後の予定です。

新作が続けてみられるのは嬉しい。o(^▽^)o

もっとも、当日は
出かける用事があるので
録画で観ることになりそうです( ´(ェ)`)


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