3月5日(土)17:35から
NHK で放送された
『サンダーバード ARE GO』
第13話「重力の井戸」
所用で出かけていたので
録画したので観ました。

以下、自分が理解する
メモ代わりということもあって
ストーリーについて
結末まで
かなり詳しくふれてます。

ほとんどネタバレですので
未見の方はご注意ください。

あと、以下長文です。
その点もご容赦願います。m(_ _)m




ブレインズはアランと共に
スイスのアルプス山中にある(と思われる)
ニュー・ジュネーヴ州に隣接した
クォークと量子のリサーチ・センターに勤める
ケンブリッジ時代の研究仲間である
モファット教授(モフィー)を訪ねます。

その施設では
スピン2のボース粒子
すなわち重力子
いわば宇宙の強力接着剤の研究が
行われているのだとか。

アランでなくとも
ブレインズの説明には
何が何やら(苦笑)

そこで、最高級の
ハドロン衝突型加速器の
スイッチを入れて
原子衝突を起こしたところ
重力子が発生するのですが(たぶんw)
そのまま暴走し
重力の井戸が発生してしまいます。

というのは
もう少しお話が進んでから
分かるのですけど。


加速器のスイッチを押したあと
大気圏を抜けて墜落する
マグニチュード3の隕石が
サンダーバード5号によって補足されます。

マグニチュードって
隕石のレベルにも使うとは
初めて知りました。

どういうレベルを指すのか
よく分からないけど
エネルギー・レベルかな?

最初は無人地帯に向かっていたのに
途中で軌道を変えて
ニュー・ジュネーヴの近接地帯に落下。

サンダーバード2号が出動して調べてみると
隕石ではなく人工衛星であることが判明し
何かのせいで軌道から外れたと推測されます。


続いて
東京発VTG45便(スカイライナー)が
コントロールを失い
ニュー・ジュネーブに墜落しそうになる
という緊急事態が発生。

1号が出動し
ワイヤーを引っかけて
牽引して助けようとするのですが
その1号もコントロールを失ってしまう。

モフィット博士の閃きを受けて
ブレインズは5号に重力スキャンを要請。
(そんなことができるのねw)
それによって1号とスカイライナーが
重力の井戸に嵌まっていることが
判明します。

ここらへんの
緊急事態の畳みかけによって
謎が発生し
謎解きの面白さが出ているあたりは
うまいですね。

ちなみにスコットが
「重力っていい響きだな」
と言う台詞は
「井戸」well と「良い」well とを
掛けていますね、たぶん。


重力の井戸って何?
と聞くアランに対して
リサーチ・センターのモフィット博士が
地球に吸い寄せる渦みたいなもの
巨大な掃除機のようなもの
すべてを地球に引き寄せるのだ
と説明してました。

それを聞いたアランは
以前3号が太陽の周りでやったように
重力を利用して推力をあげ
その勢いで重力の井戸を抜け出す
というアイデアを提唱し
1号とスカイライナーは
無事、重力の井戸を離脱します。


ハドロン衝突型加速器を起動してから
重力に異常が見られていた
と聞いたブレインズは
今回スイッチを入れたことで
井戸が成立する条件が整ったのだと推測。

加速器を止めようとするのですが
オフラインにしても発生が止まらず暴走。

井戸が自らパワーを持ってしまい
制御不能となったと
モフィット博士が説明してましたが
いかにもの説明で嬉しくなりますね。


発達した重力の井戸に吸い寄せられて
大気圏外の周回軌道上にいた
ワールド・ワイド・スペース・ステーションが
地球に引き寄せられ
大気圏に突入しそうになります。

WWSSを救うには
加速器を物理的に止めるしかありませんが
そのためには加速器内部に入って
直接止める必要があるのですが
加速器周辺の重力は
弱まっていても
加速器内部の重力は
100倍になっている。

そこで
重力の井戸の圧力に耐えられる構造を持つ
4号が投入されるというアイデアを
ブレインズが思いつきます。


重力の井戸は竜巻のようなもので
中心は穏やかだろうから
2号が渦の中央に入り込み
そこから4号を釣り下ろしていくのですが
その2号が
井戸の底に引き寄せられていく。

墜落しそうな2号を
ブレインズを乗せてアランが運転してきた
オートジャイロ型のポッドや
1号で支えるのですが
4号はなかなか加速器の中に到達できず
思いあぐねたゴードンが採った方法は……

と、ここまで書けば
想像がつくでしょうけど
いちおう伏せておくことにします。


シーズン1の
ラスト・エピソードであるためか
サンダーバード搭乗者の
フルメンバーが活躍する内容でした。

緊急事態の連打というのみならず
3号が宇宙空間でやったことを
地球上で1号にやらせたり
4号を海底作業以外で使ったりと
異種格闘技的な
荒技のアイデアが繰り出されるのが
素晴しかったです。


今回は、地球が舞台ですけど
緊急事態のネタ自体は
宇宙空間的なもので
SFテイストが
ハンパなく高い印象を受けました。

耳慣れない用語ばかりでしたけど
今回のエピソードは
素粒子物理学
それとも量子物理学かな?
その方面では
よく知られた知見を
応用しているようです。

大型ハドロン衝突型加速器
Wikipedia にも立項されていました。
(何が書いてあるのか分かんないけどw)

ハドロンについての項目も
もちろんあります。

重力の井戸 Gravity Well については
Wikipedia にせよ、その他にせよ
OVA『機動戦士ガンダムUC』の
episode 4(2011)が
いちばんヒットするのですが
今回のエピソード絡みなら
こちら↓の説明が直感的に分かりやすかったです。

http://robottage.blogspot.jp/2014/04/blog-post.html


今回のエピソードは
大型ハドロン衝突加速器の実験によって
重力場が発生、暴走したという話で
研究所の加速器自体を
ひとつの惑星に見立てて
その重力に様々なものが引き寄せられていく
というイメージでしょうか。

まあ、理屈は分からないし
話として成立するのかどうかも
分かりませんけど(苦笑)

単に素粒子物理学を使って
センス・オブ・ワンダーを
演出するだけでなく
謎解きの要素もあって
さらには
サンダーバードの各メカを
通常とは違う使い方をする
アイデアも盛り込まれている
という贅沢さ。

ただ
それを25分で描くので
せわしない印象もなくはないのですが
アイデア・ストーリーとしては
文句なしの出来ばえと
いえるのではないでしょうか。


サブタイトルの原題
Heavy Metal は
「強敵」「手強い相手」
という意味だと
手元の辞書に出ていました。

スカイライナーを始めとして
サンダーバードの各号など
金属製のメカが
重力の井戸の影響で重くなる
ということも
掛けてあるのかな?


ちなみに
ブレインズのファーストネームは
Wikipedia には
「ホラチオ」とありますが
モフィット博士には
「ハイラム」と呼ばれているように
聞こえたんですけどねえ。

そのブレインズが
モフィット博士とともに
理系ヲタクとして
ユーモラスに描かれていました。


理系用語がいっぱい出てきて
翻訳は固有名詞だから
かえって大変でなくても
吹替えで声を当てるのは
大変だったろうなと
苦労が偲ばれます。

それでも
自分も含めて
理系アレルギーのある視聴者には
ずいぶんつらい感じがしそうなのに
重力の井戸についてのイメージは
頭に入りやすく
話の内容が
意外と分かりやすかったのは
脚本の力というべきなのでしょうか。

いずれにせよ
子ども向きだからといって
手を抜かないのは
さすがです。


第2シーズンの第1話に当たる
次回・第14話の放送は
4月9日(土)17:05からだと
エンディングでテロップされてました。

ここまでハードなことをやられると
ますます観逃せない
という気分になってきますね。(^_^)


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