感想のアップが遅れましたが
2月13日(土)17:35から
NHKで放映された
『サンダーバード ARE GO』
第11話「最後の切り札」
ライブで観ています。
今回のエピソードは傑作でした。
以下、ストーリー展開にふれています。
未見の方はご注意ください。
また、感想が長文になりましたこと
あらかじめお断りしておきます。
48時間
どこからもSOSが入らない状況が続き
5号の搭乗者ジョンも
トレーシーアイランドで
くつろいでいましたが
「重力で頭がボーッとする」と
ステーションに戻ることに。
このシーンでは
第9話に続いて
ジョンの私服姿が観られます。
5号に戻る際のメカは
上にもふれた第9話
以前、3号搭乗者のアランが
小惑星の鉱山作業員を救ったエピソードでも
観られましたが
スペースエレベーター
という名称であることが
今回、ジョンの台詞で分かります。
そのスペースエレベーター内での
EOS(イーオス)とのやりとりが
実に楽しく
また情報量が高く
伏線も多く
さらにはSFマインドが抱負で
ボーッとして聞いてたら
よく分からないくらいでした。
録画したのを観直して
その脚本の見事さ、吹替えの巧さが
ようやく分かったくらいで。
スペースエレベーターは
5号からケーブル1本でつながっており
それに命を預けるジョンはすごい
と、からかうEOSに対して
「ブレインズの設計は
安全性が高いって知ってるだろう?」
と応じるジョン。
これが後半の展開の伏線。
続けて
「君は今も危険なプログラムなの?」
と聞くジョンに対して
「プログラマーに聞いて。
そう、あなたに(笑)」
と嬉しそうに答えるEOS。
スペースエレベーターに乗り込むジョンに対して
「あなたは地球上では
3日も耐えられないだろうと
予想していた」
と嬉しそうに指摘するシーンと共に
EOSのキャラクターがよく出ていて
台詞はもとより、吹替えが絶品でした。
スペースエレベーター内で
インド洋上の巨大ハリケーンに気づき
気象観測中のシルスに気づいたジョン。
シルスと聞いて
「印なんてどこにもないけど」
とEOSは応じてましたが
これ上手いけど
原文だとどういう台詞なのか
気になるところです。
ジョンは
シルスというのは
上部成層圏気象調査のことだ
と説明していましたが
英語版の Wikipedia で調べたところ
原作だと C.I.R.R.U.S と表記され
Climates Research of the Upper Stratosphere
の略称ということになっています。
丁寧に翻訳すると
「シルスというのは
シーアイアールアールユーエス
クライメイト・リサーチ・オブ・ジ・
アッパー・ストラトスフィア
つまり上部成層圏気象調査の略称だ」
となるかと思いますが
それではさすがに当てるのは無理なので
「シルスというのは
上部成層圏気象調査のことだ」
で済ませたんでしょう。
ジョンは続けて
「(シルスは)
ラングストローム・フィシュラーの
プロジェクト。
悪い人じゃないけど
いつも決まって
トラブルに巻き込まれる」
とジョンが言って
フィシュラーと交信を始めますが
その交信中に
ハリケーンの影響で
ヘリ・ブレード装置が故障し
気象観測船 weather station が
成層圏へと上昇し始め
交信も途絶えます。
フィシュラーが
なぜいつもトラブルに巻き込まれるのか
といえば
実効性や目的の達成を
優先させるために
安全性への配慮が
おろそかになる点にあるようで
それは
細かいことにこだわらないという
よくいえば大らか
悪くいえば大雑把で自己チューな性格に
由来するようです。
その大雑把さの一端は
事故が発生した時の
「君! 名前は忘れたがどうなってる」
「誰がこいつを雇った!?
ああ私か。たぶんその日は休んでた」
といった台詞にも
よく現われています。
こういうキャラクターを描かせたら
向こうのドラマはホントに上手いですね。
吹替えを担当する役者の声も
ぴったりでした。
フィシュラーの危機を知ったジョンは
トレーシーアイランドに連絡し
ミッション開始となります。
長くなりましたが
ここまでがアバンタイトル(!)で
その情報量と伏線の多さが
お分かりいただけるのではないかと。
ここまででイヤになるか
これはすごいとびっくりするかで
今回のエピソードの評価は
変わりそうな気がします。
ミッション開始で
まず2号がゴードンを載せて出動。
新しいポッドメカを駆使して
ヘリ・ブレードを空中で修理する
というミッションに当たりますが
失敗。
気象観測船が帯電する
静電気の影響を受けて
2号の計器が完全にお釈迦になって
墜落し始めます。
それを助けるゴードンと
助ける方法(システム)には
眼を見張るものがありました。
こういう発想は新時代ならではで
昔のサンダーバードでは
まず出てこない発想ではないか知らん。
続いて、メンテ中だったため
遅れて出動した1号が
救助に向かいます。
ところが
高高度で発生するプラズマ現象のために
ミッションの続行が不可能となって
成層圏に近いため
出力が落ちたことともあいまって
これも失敗。
続いて3号が出動。
成層圏でのミッションは
ロケットなら大丈夫のはずでしたが
牽引中に気象観測船の部品が剥落し
ロケット・ブースターのひとつを直撃
2番エンジンが停止してしまい
またまた失敗。
そして最後に
5号が奇策を用いて救助に成功する
という流れです。
その奇策については詳述しませんけど
通信衛星としての役割を果たす
だけかと思っていた5号が
救助メカとして活躍する
というアイデアが
まずは素晴しい。
それがやりたかったんだろうなあ
というのがよく分かるし
このネタを思いついた時の
作り手の高揚感も伝わってきます。
観ている方も
そのアイデアに膝を打ち
脱帽すると共に
ワクワクさせられます。
(そんなの、自分だけかな? w)
このときの5号のミッションで
アバンタイトルで出てきた
スペースエレベーターのシステムや
ブレインズの設計思想が
活きてくるのも巧ければ
その奇策が
新しい5号のデザインを
活かしたアイデアであること
それに伴うサスペンスが実に素晴しい。
サスペンスの性質は
以前のエピソード(第8話)とも
共通しますが
だからといって
「同じじゃん」と感じさせないのが
シナリオと演出の巧さでしょう。
とにかく今回のエピソードは
ストーリーといい台詞といい
そのSFマインドといい
シビレました。
といっても
SF小説にさほど
思い入れや馴染みがあるわけでは
ありません。(^^ゞ
だから
「SFマインド」だなんて
知ったようなことを
どの口が言うという感じで。( ̄▽ ̄)
その程度の人間が
シビレたわけですけど
それでもとにかく
良かった!
SF的なアイデアだけでなく
台詞を通して
あるいは吹替えを通して
つまり翻訳だけではなく
声優の上手さを通して
キャラクターのひとりひとりが
活き活きと立ち上がってくるあたりも
素晴しかったですね。
中でも
フィシュラーのキャラクターは
強烈でした。
こういう、いい加減な(?)人間
懲りない人間を
笑いとばすセンスは
繰り返すようですが
向こうのドラマならでは
という感じがします。
今回のエピソードを観て、初めて
ソフト化されたら
手元に置きたい
と思ったくらいです。
NHKの公式サイトによれば
再放送は3月3日。
観逃した方は
ぜひチェックしてみてください。
次回・第12話の放送は
今回はエンディングで
テロップが出てましたが
2月27日(土)だそうです。
割と近々ですね。
観逃さないようにしないと。(^_^)

2月13日(土)17:35から
NHKで放映された
『サンダーバード ARE GO』
第11話「最後の切り札」
ライブで観ています。
今回のエピソードは傑作でした。
以下、ストーリー展開にふれています。
未見の方はご注意ください。
また、感想が長文になりましたこと
あらかじめお断りしておきます。
48時間
どこからもSOSが入らない状況が続き
5号の搭乗者ジョンも
トレーシーアイランドで
くつろいでいましたが
「重力で頭がボーッとする」と
ステーションに戻ることに。
このシーンでは
第9話に続いて
ジョンの私服姿が観られます。
5号に戻る際のメカは
上にもふれた第9話
以前、3号搭乗者のアランが
小惑星の鉱山作業員を救ったエピソードでも
観られましたが
スペースエレベーター
という名称であることが
今回、ジョンの台詞で分かります。
そのスペースエレベーター内での
EOS(イーオス)とのやりとりが
実に楽しく
また情報量が高く
伏線も多く
さらにはSFマインドが抱負で
ボーッとして聞いてたら
よく分からないくらいでした。
録画したのを観直して
その脚本の見事さ、吹替えの巧さが
ようやく分かったくらいで。
スペースエレベーターは
5号からケーブル1本でつながっており
それに命を預けるジョンはすごい
と、からかうEOSに対して
「ブレインズの設計は
安全性が高いって知ってるだろう?」
と応じるジョン。
これが後半の展開の伏線。
続けて
「君は今も危険なプログラムなの?」
と聞くジョンに対して
「プログラマーに聞いて。
そう、あなたに(笑)」
と嬉しそうに答えるEOS。
スペースエレベーターに乗り込むジョンに対して
「あなたは地球上では
3日も耐えられないだろうと
予想していた」
と嬉しそうに指摘するシーンと共に
EOSのキャラクターがよく出ていて
台詞はもとより、吹替えが絶品でした。
スペースエレベーター内で
インド洋上の巨大ハリケーンに気づき
気象観測中のシルスに気づいたジョン。
シルスと聞いて
「印なんてどこにもないけど」
とEOSは応じてましたが
これ上手いけど
原文だとどういう台詞なのか
気になるところです。
ジョンは
シルスというのは
上部成層圏気象調査のことだ
と説明していましたが
英語版の Wikipedia で調べたところ
原作だと C.I.R.R.U.S と表記され
Climates Research of the Upper Stratosphere
の略称ということになっています。
丁寧に翻訳すると
「シルスというのは
シーアイアールアールユーエス
クライメイト・リサーチ・オブ・ジ・
アッパー・ストラトスフィア
つまり上部成層圏気象調査の略称だ」
となるかと思いますが
それではさすがに当てるのは無理なので
「シルスというのは
上部成層圏気象調査のことだ」
で済ませたんでしょう。
ジョンは続けて
「(シルスは)
ラングストローム・フィシュラーの
プロジェクト。
悪い人じゃないけど
いつも決まって
トラブルに巻き込まれる」
とジョンが言って
フィシュラーと交信を始めますが
その交信中に
ハリケーンの影響で
ヘリ・ブレード装置が故障し
気象観測船 weather station が
成層圏へと上昇し始め
交信も途絶えます。
フィシュラーが
なぜいつもトラブルに巻き込まれるのか
といえば
実効性や目的の達成を
優先させるために
安全性への配慮が
おろそかになる点にあるようで
それは
細かいことにこだわらないという
よくいえば大らか
悪くいえば大雑把で自己チューな性格に
由来するようです。
その大雑把さの一端は
事故が発生した時の
「君! 名前は忘れたがどうなってる」
「誰がこいつを雇った!?
ああ私か。たぶんその日は休んでた」
といった台詞にも
よく現われています。
こういうキャラクターを描かせたら
向こうのドラマはホントに上手いですね。
吹替えを担当する役者の声も
ぴったりでした。
フィシュラーの危機を知ったジョンは
トレーシーアイランドに連絡し
ミッション開始となります。
長くなりましたが
ここまでがアバンタイトル(!)で
その情報量と伏線の多さが
お分かりいただけるのではないかと。
ここまででイヤになるか
これはすごいとびっくりするかで
今回のエピソードの評価は
変わりそうな気がします。
ミッション開始で
まず2号がゴードンを載せて出動。
新しいポッドメカを駆使して
ヘリ・ブレードを空中で修理する
というミッションに当たりますが
失敗。
気象観測船が帯電する
静電気の影響を受けて
2号の計器が完全にお釈迦になって
墜落し始めます。
それを助けるゴードンと
助ける方法(システム)には
眼を見張るものがありました。
こういう発想は新時代ならではで
昔のサンダーバードでは
まず出てこない発想ではないか知らん。
続いて、メンテ中だったため
遅れて出動した1号が
救助に向かいます。
ところが
高高度で発生するプラズマ現象のために
ミッションの続行が不可能となって
成層圏に近いため
出力が落ちたことともあいまって
これも失敗。
続いて3号が出動。
成層圏でのミッションは
ロケットなら大丈夫のはずでしたが
牽引中に気象観測船の部品が剥落し
ロケット・ブースターのひとつを直撃
2番エンジンが停止してしまい
またまた失敗。
そして最後に
5号が奇策を用いて救助に成功する
という流れです。
その奇策については詳述しませんけど
通信衛星としての役割を果たす
だけかと思っていた5号が
救助メカとして活躍する
というアイデアが
まずは素晴しい。
それがやりたかったんだろうなあ
というのがよく分かるし
このネタを思いついた時の
作り手の高揚感も伝わってきます。
観ている方も
そのアイデアに膝を打ち
脱帽すると共に
ワクワクさせられます。
(そんなの、自分だけかな? w)
このときの5号のミッションで
アバンタイトルで出てきた
スペースエレベーターのシステムや
ブレインズの設計思想が
活きてくるのも巧ければ
その奇策が
新しい5号のデザインを
活かしたアイデアであること
それに伴うサスペンスが実に素晴しい。
サスペンスの性質は
以前のエピソード(第8話)とも
共通しますが
だからといって
「同じじゃん」と感じさせないのが
シナリオと演出の巧さでしょう。
とにかく今回のエピソードは
ストーリーといい台詞といい
そのSFマインドといい
シビレました。
といっても
SF小説にさほど
思い入れや馴染みがあるわけでは
ありません。(^^ゞ
だから
「SFマインド」だなんて
知ったようなことを
どの口が言うという感じで。( ̄▽ ̄)
その程度の人間が
シビレたわけですけど
それでもとにかく
良かった!
SF的なアイデアだけでなく
台詞を通して
あるいは吹替えを通して
つまり翻訳だけではなく
声優の上手さを通して
キャラクターのひとりひとりが
活き活きと立ち上がってくるあたりも
素晴しかったですね。
中でも
フィシュラーのキャラクターは
強烈でした。
こういう、いい加減な(?)人間
懲りない人間を
笑いとばすセンスは
繰り返すようですが
向こうのドラマならでは
という感じがします。
今回のエピソードを観て、初めて
ソフト化されたら
手元に置きたい
と思ったくらいです。
NHKの公式サイトによれば
再放送は3月3日。
観逃した方は
ぜひチェックしてみてください。
次回・第12話の放送は
今回はエンディングで
テロップが出てましたが
2月27日(土)だそうです。
割と近々ですね。
観逃さないようにしないと。(^_^)
