
(2015/ボーンデジタル、2015.11.25)
原著出版年が
どこにも書かれていないのですが
『サンダーバード』の音楽を担当した
バリー・グレイについて書かれた章には
『サンダーバード ARE GO』について
ふれられているので
おそらく2015年でしょう。
念のため Amazon で検索してみたら
取扱日が2015年9月10日になってました。
訳者も個人ではなく
株式会社Bスプラウト
となっています。
海外で出版される
この手の公式本は
調査が徹底しているのは
いうまでもありませんが
そうしたデータを生のまま出すより
ドラマに関わった人間
すなわち製作者やプロデューサーに
焦点が当てられることが多く
伝記ものの伝統がしっかりしているので
読んでいて興味が尽きません。
『サンダーバード』の場合
日本の関連書籍だと
管見に入った限りでは
2本の劇場用作品について
版権の関係もあってか
資料や言及に乏しい
ということは
前にも書いたとおりです。
今回の本は
劇場用作品について
裏事情などが
記されているのはもちろん
特撮監督について
音楽担当者について
そしてマーチャンダイジングについて
それぞれ一章、費やされており
たいへん読み応えがありました。
プロデューサーの
ジェリー・アンダーソンが手がけた
『サンダーバード』以前の作品
以後の作品についても
紹介されており
特に、古い作品や
評価されずに埋もれている作品が
興味深かったです。
各ページに必ず
写真の図版が添えられていて
それを見ているだけでも楽しめます。
日本語の資料も1枚
載ってました。
(『サンダーバード6号』のポスター)
個人的に興味深かったのは
ペネロープを主人公とした小説と
コミックスが刊行されていることです。
内容は噴飯ものかもしれませんが
小説はちょっと読んでみたいかも。
本自体は
昔のLPレコード並の大判で
写真がふんだんに載っているため
いい紙を使いインクが乗っているせいで
重いことこの上ないです。
欧米でよくあるらしい
いわゆるテーブルブックの類いで
その判型と重みのために
そしてお値段の方も
それなりにしますから
気軽に手に取るというわけには
いきませんけど
『サンダーバード』を語るうえでは
必携の1冊といっても
過言ではないでしょう。
意外と文字情報もあり
読みでがありますよ。
ちなみに
表紙のイラストは
ぱっと見だと
何が描いてあるのか
分かりにくいですけど
カバーを外すとこれこのとおり。

サンダーバード2号の部分なのでした。
