12月23日(水)は
朗読一座「まほろばVOICE」
第4回公演を観に
(というより「聴きに」かな?)
内幸町ホールに行ってきました。
蛇足ながら内幸町は
「ないこうちょう」ではなく
「うちさいわいちょう」と読みます。

Ticori's fairground と KOH-EAST の
合同ライブのときに
お手伝いをされていた方が
朗読をやっていると
以前、話題に出て
一度、行ってみよう
と思っていたのが
ようやく実現したのでした。
内幸町ホールのある所まで
地下鉄経由で
さほど遠くはありませんが
行くのは初めてでした。
ホール自体は地下にあり
銀座線の出口からだと
地上に出ずに行けたようです。

下が入口で渡された
フライヤーとプログラムです。

プログラム裏の紹介文によれば
朗読一座まほろば VOICE は
フリーアナウンサーの
田中智子が主宰している
若手の朗読集団で
「声で伝えるための技術を
切磋琢磨して」いるのだとか。
今回の公演内容は
阿刀田高「墓地の女」
小林剛「半額のコース」
さだまさし「ファイナル・カウント・ダウン」
宮沢賢治「注文の多い料理店」
あまんきみこ「ちいちゃんのかげおくり」
小泉八雲「耳なし芳一のはなし」
の6編が朗読されました。
舞台にスタンドマイクが4本立っており
5人のメンバーが入れ替わり立ち替わり
ナレーターも含め何役もこなしながら
ひたすら語り続けていきます。
振り付けは基本的にありません。
「半額のコース」のラストのみ
ちょっと演出が加わっていましたが
落ちに関わるので
どういう演出なのかは秘密です。
あと、各作品のOPやEDで
BGMが流れるくらい。
観るものなのか聴くものなのか
ちょっと戸惑っちゃいました。
結局、「観て」ましたけどね。(^^ゞ
「墓地の女」や「半額のコース」は
オチの見当がついちゃいましたけど
朗読なのだから
それはどうでもいいんでしょうね。
オチのある小説なら
語り口でミスリードするトリックなんかも
ありかもしれません。
女性が男性も演じるわけですから
そういうのもありですけど
そういう場合は
「観て」いると騙されるかも知れない
あるいは逆に
「観て」いると騙されないかも知れない
とか考えていると
ミステリ者としては
なかなか楽しい時間が過ごせそう(笑)
「ちいちゃんのかげおくり」は
戦災ものだけに
涙なくしては聴けない話でしたが
(ちょっとずるい)
ちいちゃんの声が
いわゆるアニメに出てきそうな
可愛らしい系の声で
幼児口調だったものですから
やや聴き取りにくい箇所がありました。
幼女は声を作りすぎると
アニメみたいになって
リアリティが損なわれるような気もされ
難しいところですね。
「耳なし芳一のはなし」は
お馴染みの怪談ですけど
冒頭で2ケ所
気になるところがありました。
ひとつは
手許にある
岩波文庫の平井呈一訳でいうと
「ちょうど合戦のおりの
閧の声のような」(p.9)
と書いてある「閧」のアクセントが
鳥の「トキ」のように
聞こえたこと。

(岩波文庫、1940.10.10/1990.5.25. 第57刷)
もうひとつは
同じく平井訳の
「鬼神も涙をとどめえず」(p.10)
の「鬼神」を
「おにがみ」と読んでいたこと。
後者については辞書を見てみると
「おにがみ」とも読む
と書いてありますけど
一般的には「きじん」でしょうね。
あるいは
朗読に使われた底本のテキストには
「おにがみ」というルビが
振られているのかもしれないと思い
感想のアンケートには
書きませんでしたが
帰ってから確認してみました。
で、上記と同じ平井呈一訳の
岩波文庫を見てみたら
ルビが振ってありませんでした。( ̄▽ ̄)
それならということで
手許にある角川文庫版と
講談社学術文庫版を見てみることに。

(講談社学術文庫、1990.6.10)

(角川文庫、1957.11.10/1979.7.30. 62版)
講談社学術文庫版(平川祐弘訳)は
「鬼神ヲモ泣カシム」となっていて
ルビは「きじん」。
角川文庫版(田代三千稔訳)は
「鬼神も涙をとどめえなかった」で
ルビはやはり「きじん」でした。
講談社学術文庫版には
小泉八雲が典拠にした
『臥遊奇談』巻之二
「琵琶秘曲泣幽霊(びわのひきょく
ゆうれいをなかしむ)」が
収録されていまして
「芳一が平家をかたるや人をして
鬼神を動かすとぞもてはやしける」
という該当箇所には
「きしん」と
ルビが振られています。
いずれにせよ
「おにがみ」と読むのは特殊であること
以上の少ない例からも
お分かりいただけるのではないかと。
閑話休題。
公演全体の印象としては
舞台から退場したり
袖から入ってきたり
舞台上を移動して
マイクをチェンジしたり
といった動きはありましたが
面白さのポイントは
同じ人が違う声を出すという
ところでしょうか。
読むことを通して
テキストの面白さが開発される
ということがあると
個人的には面白かったんですが
その場合は聴いているこちらにも
それなりの集中力が求められそうです。f^_^
最後に出演者全員と座長が登場し
座長の挨拶で幕となりました。
公演は13:30から始まって
途中休憩をはさんで
すべてを終えたのは15:45ごろ
だったかと思います。
次の公演は来年の同月同日なのだとか。
というわけで
来年は何が朗読されるんだろう
朗読に適したテキストって何かなあ
とか思いながら
家路に就いたのでした。
演者のみなさん
スタッフのみなさん
お疲れさまでした。

朗読一座「まほろばVOICE」
第4回公演を観に
(というより「聴きに」かな?)
内幸町ホールに行ってきました。
蛇足ながら内幸町は
「ないこうちょう」ではなく
「うちさいわいちょう」と読みます。

Ticori's fairground と KOH-EAST の
合同ライブのときに
お手伝いをされていた方が
朗読をやっていると
以前、話題に出て
一度、行ってみよう
と思っていたのが
ようやく実現したのでした。
内幸町ホールのある所まで
地下鉄経由で
さほど遠くはありませんが
行くのは初めてでした。
ホール自体は地下にあり
銀座線の出口からだと
地上に出ずに行けたようです。

下が入口で渡された
フライヤーとプログラムです。

プログラム裏の紹介文によれば
朗読一座まほろば VOICE は
フリーアナウンサーの
田中智子が主宰している
若手の朗読集団で
「声で伝えるための技術を
切磋琢磨して」いるのだとか。
今回の公演内容は
阿刀田高「墓地の女」
小林剛「半額のコース」
さだまさし「ファイナル・カウント・ダウン」
宮沢賢治「注文の多い料理店」
あまんきみこ「ちいちゃんのかげおくり」
小泉八雲「耳なし芳一のはなし」
の6編が朗読されました。
舞台にスタンドマイクが4本立っており
5人のメンバーが入れ替わり立ち替わり
ナレーターも含め何役もこなしながら
ひたすら語り続けていきます。
振り付けは基本的にありません。
「半額のコース」のラストのみ
ちょっと演出が加わっていましたが
落ちに関わるので
どういう演出なのかは秘密です。
あと、各作品のOPやEDで
BGMが流れるくらい。
観るものなのか聴くものなのか
ちょっと戸惑っちゃいました。
結局、「観て」ましたけどね。(^^ゞ
「墓地の女」や「半額のコース」は
オチの見当がついちゃいましたけど
朗読なのだから
それはどうでもいいんでしょうね。
オチのある小説なら
語り口でミスリードするトリックなんかも
ありかもしれません。
女性が男性も演じるわけですから
そういうのもありですけど
そういう場合は
「観て」いると騙されるかも知れない
あるいは逆に
「観て」いると騙されないかも知れない
とか考えていると
ミステリ者としては
なかなか楽しい時間が過ごせそう(笑)
「ちいちゃんのかげおくり」は
戦災ものだけに
涙なくしては聴けない話でしたが
(ちょっとずるい)
ちいちゃんの声が
いわゆるアニメに出てきそうな
可愛らしい系の声で
幼児口調だったものですから
やや聴き取りにくい箇所がありました。
幼女は声を作りすぎると
アニメみたいになって
リアリティが損なわれるような気もされ
難しいところですね。
「耳なし芳一のはなし」は
お馴染みの怪談ですけど
冒頭で2ケ所
気になるところがありました。
ひとつは
手許にある
岩波文庫の平井呈一訳でいうと
「ちょうど合戦のおりの
閧の声のような」(p.9)
と書いてある「閧」のアクセントが
鳥の「トキ」のように
聞こえたこと。

(岩波文庫、1940.10.10/1990.5.25. 第57刷)
もうひとつは
同じく平井訳の
「鬼神も涙をとどめえず」(p.10)
の「鬼神」を
「おにがみ」と読んでいたこと。
後者については辞書を見てみると
「おにがみ」とも読む
と書いてありますけど
一般的には「きじん」でしょうね。
あるいは
朗読に使われた底本のテキストには
「おにがみ」というルビが
振られているのかもしれないと思い
感想のアンケートには
書きませんでしたが
帰ってから確認してみました。
で、上記と同じ平井呈一訳の
岩波文庫を見てみたら
ルビが振ってありませんでした。( ̄▽ ̄)
それならということで
手許にある角川文庫版と
講談社学術文庫版を見てみることに。

(講談社学術文庫、1990.6.10)

(角川文庫、1957.11.10/1979.7.30. 62版)
講談社学術文庫版(平川祐弘訳)は
「鬼神ヲモ泣カシム」となっていて
ルビは「きじん」。
角川文庫版(田代三千稔訳)は
「鬼神も涙をとどめえなかった」で
ルビはやはり「きじん」でした。
講談社学術文庫版には
小泉八雲が典拠にした
『臥遊奇談』巻之二
「琵琶秘曲泣幽霊(びわのひきょく
ゆうれいをなかしむ)」が
収録されていまして
「芳一が平家をかたるや人をして
鬼神を動かすとぞもてはやしける」
という該当箇所には
「きしん」と
ルビが振られています。
いずれにせよ
「おにがみ」と読むのは特殊であること
以上の少ない例からも
お分かりいただけるのではないかと。
閑話休題。
公演全体の印象としては
舞台から退場したり
袖から入ってきたり
舞台上を移動して
マイクをチェンジしたり
といった動きはありましたが
面白さのポイントは
同じ人が違う声を出すという
ところでしょうか。
読むことを通して
テキストの面白さが開発される
ということがあると
個人的には面白かったんですが
その場合は聴いているこちらにも
それなりの集中力が求められそうです。f^_^
最後に出演者全員と座長が登場し
座長の挨拶で幕となりました。
公演は13:30から始まって
途中休憩をはさんで
すべてを終えたのは15:45ごろ
だったかと思います。
次の公演は来年の同月同日なのだとか。
というわけで
来年は何が朗読されるんだろう
朗読に適したテキストって何かなあ
とか思いながら
家路に就いたのでした。
演者のみなさん
スタッフのみなさん
お疲れさまでした。
