22日(火)は
『ウルトラマンX』の最終回を観た後
今度は21:00から23:18まで
フジテレビで放映された
『ドラマスペシャル
 江戸川乱歩生誕120周年没後50周年記念
 黒蜥蜴』
をライブで観ました。


師走の忙しいときに
2時間半近くテレビに縛られるとは…
と、泣きながら観ましたぜ。(TωT )

乱歩原作だからなあ、しょうがない。


ちなみに
今年が没後50年なのは
そのとおりですけど
乱歩の生年は1894年なので
正確には2014年が
生誕120年目になります。

なぜ
「生誕120周年
 没後50周年記念」を
謳うのか。

謎です。


以下、ストーリーにふれますので
未見の方はご注意ください。




今回のドラマについての事前情報は
キョウリュウレッドを演じた竜星涼が
明智の助手・小林青年を演じる
というニュース記事だけ。

キョウリュウレッドということで
ヲ仲間がツイートした記事を
読みまして
ああ、また『黒蜥蜴』やるのか
と思った程度の意識だったので
そろそろだったかなーと思って
確認しなければ
観逃すところでした。


黒蜥蜴を演じたのは
元宝塚歌劇団花組トップスター
という冠がつく
真矢ミキ。

ヴィジュアル的には良かったです。

冒頭、原作にも描かれている
秘密クラブでの仮面舞踏会的なシーン
黒蜥蜴と踊る男性は
真矢ミキの実夫でバレエダンサーの
西島数博という人なんだそうです。

ラッパーが登場し
群舞のダンスに合わせて
黒蜥蜴を紹介するラップをするのを観て
面白いと思う一方で
ちょっと不安な気持ちになったり。


明智小五郎を演じたのは
渡部篤郎。

最初、観ている間は
分かりませんでしたが。(^^ゞ

ファンの人には悪いけれど
自分が抱いている明智のイメージとは
かなり違っているという印象。

黒蜥蜴と会えると嬉しくてニヤケてくる
という演出はいいんだけど
それが様になってない感じ。

それに
真矢ミキとのツーショットも
オシャレな男女というには
ヴィジュアル的に今イチな感じ。

二人とも帽子をかぶるキャラだったのは
オシャレさのアピールなんでしょうか。

ヴィジュアルは措くとしても
警視庁副総監という役職に就いている
って設定が
違和感ありまくりでした。

就任挨拶での記者からの質問に
「事件に対する私のスタンスは変わりません
 場合によっては操作の最前線に立ちます
 犯罪者は徹底的に追いつめ粛清する
 私に出来ることはそれだけです」
と答えてましたが
明智に「粛清する」なんて言葉
使わせないでくれよ~と思ったり。

ちなみに
このとき明智を紹介した
赤松警視総監を演じたのは
モロボシ・ダンこと森次晃嗣でした。
これにはびっくり。


原作では黒蜥蜴にさらわれる娘
岩瀬早苗を演じたのは
剛力彩芽。

綺麗でしたね。

それにしても
剛力さんが演技してるところ観るのって
初めてかも知んない。

ふだんテレビドラマ観ないもので。(^^ゞ


その他では
浪越善四郎警部を演じたのが
山下真司で
特撮ファンの間では
『キョウリュウジャー』の
キングとオヤジ(桐生ダンテツ)ふたたび
と話題になってたようです。

全然意識しなかった。(^o^;)

顔のシルエットだけからいうと
むしろ山下真司の方が
明智に合ってるかもなあ
とか思ったり。

本ドラマの中では
コメディリリーフに徹していて
『ケータイ刑事』シリーズのときの
五代刑事役を彷彿させました。


エンディング・テロップを観ていたら
栗山航の名前が出てきて
え!? どこに出てたっけ
とか思っちゃった。( ̄▽ ̄)

録画しといたのを観直したら
早苗が計画した事件の
犯人グループの一人(リーダー?)でした。

中盤では明智と立ち回りを演じますが
渡部篤郎に簡単にやられてました。

黄金騎士が初老のオヤジにやられる
なんて残念なことに(苦笑)


あと、黒蜥蜴の従者・雨宮が
里見浩太朗。

原作では青年なんだけどなあ(苦笑)

黒蜥蜴をお嬢様と呼ぶのはともかく
明智と剣で立ち回りを演じる最後の場面が
今ひとつぱっとしない感じで。


女性刑事を演じたのは誰なんだろう?
と思って
エンディング・テロップで当たりをつけたら
岡本あずさという人でした。

知らなかったんだけど
『ケータイ刑事 銭形命』で
主役を演じたらしい。

『仮面ライダーウィザード』の
凛子みたいな感じで
ちょっと良ござんした。


黒蜥蜴の変装は
天知茂的なというか
顔全面を覆うマスク
(マスクを取ると燃えつきる仕掛け付き)と
迷彩ホログラム的な技術を使ったと思しい
ハイテクな描かれかたでした。

アジトの壁はグレーで
ホログラムで草原を映し出して
くつろいでいるし
関係者の許には
ドローンを使って予告状を送っているし
まあ、いろいろ
現代風なアレンジに工夫が凝らされてました。

そこらへんは
まあ、しょうがないかと思う一方で
あんまりベタなのはやめてほしいなあ
とも思ったり。


盗難品も
原作でいうところの美しいもの
ということになってましたが
国家や企業の秘密も盗むという設定で
最後にはルパン三世的な義賊扱い。

そのために
幼少時、両親が
機密をめぐる抗争か何に巻き込まれて
殺されるという過去を
持っていることになっていて
そこまで理由づけされると
違和感が残ります。


原作の緑川夫人は
イリュージョニスト緑川京子
つまりマジシャンという設定。

そのマジックは
あからさまにトリック撮影で
これも現代風のアレンジというやつ。

その緑川京子が明智に対して
「黒蜥蜴は、
 明智さんの宿敵・広域連続窃盗犯
 通称・怪人二十面相に
 勝とも劣らぬ強敵ではありません?」
と話すシーンがあって
この二十面相の呼び方も現代風。


もろもろ現代風にしていますが
早苗の誘拐に失敗して逃げる時に
明智に対して
お互いの一番大切なものを賭けて
勝負しましょう
というシーンは残っていました。

まあ、これがないと
男女の恋愛関係を潜ませた
最後のカタストロフに
持っていけませんからね。

ちなみに
逃走する黒蜥蜴を射とうとした
警官の弾が
それをかばった明智の足に当たる
というのは
外し過ぎでは?

その時、黒蜥蜴は
たまたま出てきた迷子をかばって
警官に射たれかけたという展開で
黒蜥蜴の過去とも絡んでいるとはいえ
ちょっと間が抜けている感じ。

先に書いたような
義賊的な解釈もそうですけど
黒蜥蜴をいわゆる「いい人」にしちゃ
いけないと思うな。

そこらへんの
いい人と泥棒とのバランスの取り方が
ルパン三世を連想させると同時に
それに及んでいないという印象も
受けるのでした。


最後のカタストロフは
ラストは三島版の劇でお馴染みの
キスシーンで終る
かと思いきや
という展開でしたが
コマーシャル前のスポット映像で
オチの見当がついてしまうのは困りもの。

いや、そもそも
あのラストを変えたのが
大いなる困りものかも
しれませんがね(苦笑)


それでも
TBSで2004年にやった
岩下志麻のバージョン
『美しき悪女の伝説 黒蜥蜴』以来ですが
あの衝撃的なラストよりは
マシですけどね。

ちなみにそのとき
明智を演じたのは伊武雅刀で
これはかなりハマっていたと思います。


などなど
なんか文句ばかり
書き綴ってきたような気が
して来ましたが
結局のところ
どうして
原作を原作通り再現する
ということが
できないんだろうね ┐( ̄ヘ ̄)┌
ということに尽きます。

これが横溝正史の原作だと
原作の時代背景に
忠実に作られることが
多いと思うんですけどね。

そのあたりの
処理のされ方の違いが
両大家に対する
一般的なイメージの差異を
よく表わしているのかもしれませんけど。


以上、長文深謝。


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