
(コロムビアミュージックエンタテインメント
COBY-91141、2005.10.2)
副題は「ユー・アー・ザ・トップ」
もっとも写真でも分かる通り
原題では
You're the Top が
メインタイトルのようです。
製作のコピーライトは1990年。
日本語版のビデオ・ソフトが
出たかどうかまでは知りませんけど
DVDソフトの方は
もともと2000年に発売されたようです。
それが、2005年に
「Good Music! Good Price!」
というシリーズの1枚として
トールケース仕様で
再発されたものです。
先日、池袋の古書店で見つけて
リーズナブルな値段だったので
購入しました。
その昔、ミステリ・ファンの仲間内で
ミュージカル映画が流行ったことがあり
誘われてリバイバル上映を
観にいったことがあります。
その時に観た中に
『夜も昼も』Night and Day(1946)
という作品があり
コール・ポーターの名前を
知ったのでした。
『夜も昼も』は
コール・ポーターの伝記映画ですけど
映画の内容は
もはや、すっかり忘れています。
ただ「夜も昼も」という歌のサビを
記憶しているくらい。f^_^;
今回はドキュメンタリー映像で
コール・ポーターの生涯を
追ったことになりますが
映画では伏せられていたと思われる
コール・ポーターがゲイだったことが
当り前に描かれていて
ちょっと驚かされました。
落馬して複雑骨折し
最終的には足を切った
というのにも
びっくりでした。
オープニングで
『テキサコ・スター劇場』という
おそらくテレビ番組に呼ばれた
コール・ポーターが
登場してから
司会者の肩に手をかけているのは
そういう事情かと納得したり。
あと、ちょっと印象に残ったのは
母親との関係ですかね。
いかにも、という感じというか
ロス・マクドナルドなんかの小説が
書かれる背景というものを
想像させられました。
ロス・マクの小説に典型的に見られる
ある種の歪みのようなものは
まったくなかったようですけどね。
コール・ポーターが音楽を担当した
映画や舞台の映像が
何本か収められており
時には1曲流れる間に
いろんな映像がつなぎ合わされて
コラージュ風になって出てきます。
フレッド・アステアの見事な踊りを
楽しむこともでき
実をいえば
それが観られるのを期待して
購入したわけであります。
モノクロ画面で
アステアと一緒に踊る
ジンジャー・ロジャースが
また美しい。
ちょっとしか映らないのは残念。
ちなみに
映画『夜も昼も』の主役に
ケイリー・グランドを選んだ
コール・ポーターに対して
アーネスト・H・マーティン
というプロデューサーが
「僕ならアステアにする、君に似てる」
と言うと、コール・ポーターは
「男前が好きだ」
と答えたのだとか。
『夜も昼も』の主演が
アステアになったかもしれないなんて
知らなかったよ(苦笑)
インタビューを受けている人々の中に
リンダ・ロンシュタットまでいるのには
ちょっとびっくりでした。
といっても
リンダ・ロンシュタットについては
名前しか知らないのですけどね。(^^ゞ
馬場啓一による解説が載った
リーフレットが封入されていて
コール・ポーターが
ジョージ・ガーシュウィンに
ものすごい手紙を送っているのを知りました。
ジョークだったのかもしれませんが
ワスプ臭がぷんぷん感じられて
ちょっとヤな感じです。
なお、封入されている
「Good Music! Good Price!」の
カタログには
ジョージ・ガーシュウィンや
グレン・ミラーのドキュメンタリーもあり
そちらもちょっと観たくなりましたが
Amazon とかだと
ちょっと値段が張るようで。
懐が暖かくなるまで
あるいは安く見つけるまで
気長に待つことにしましょうか。
